2009.11.12

税を考える週間2009

昨日11月11日からは「税を考える週間」。各地で説明会やら講演会やらイータ君のテレビCMやら、賑やかにイベントが行われています。

これに合わせて日税連(日本税理士会連合会)は、昨日の日経に上戸彩ちゃんの大きな全面広告を掲載。「私は税理士に聞かなかった」4億円申告漏れの茂木先生の記事と並んで掲載されれば、さぞ面白かったでしょう。

091112

| | TrackBack (0)

2009.07.29

民主党のマニフェスト

公表された民主党のマニフェストをざっと眺めてみました。

「明治維新以来続いた中央集権体制云々」という歴史の教科書みたいなフレーズまであったりして、ひょっとして本気でこの国の流れを変えようとしているんでしょうか、意気込みは感じられます。

税制的には、インパクトのある公約が目に付きます。詳細は「INDEX2009」という政策集に掲げられていますが、この多岐に渡る内容と分量に対し、自民党がどんな対抗案を出してくるのか、興味があります。

目に付いた項目。

・租税特別措置の見直し
(総論賛成・各論反対の嵐でしょう)

・中小企業の法人税率を18%から11%へ引き下げ
(儲かっている中小企業にとっては朗報ですが)

・いわゆるオーナー課税の廃止
(これはあったり前、当然でしょう。官僚が考え出したこんな変な税制を承認したのは自民党と公明党なんですよね)

・公的年金等控除最低保障140万円・老年者控除50万円の復活
(年金受給世代には、かなりうれしい話)

・税と社会保障制度共通の番号制度の導入
(いわゆる納税者番号制度ですね。賛否両論あるでしょう)

・子ども手当創設の財源として配偶者控除の廃止(国税のみ)
(これは難しいところか。国民は、もらった手当のありがたみはすぐ忘れるけれど、税負担の増加による痛税感は後々まで根に持つ、という傾向があるように思うので、民主党のアキレス腱になるような気がします)

・相続税の遺産課税方式への転換
(今までの流れの継承ですね)

・納税者権利憲章の制定
(今までなかったのですね)

・給与所得者の確定申告の原則化(年末調整も選択可)
(もし実現したら、実務上は、しばらく混乱するかも)

・更正の請求の期間制限(現状1年)の見直し
(課税当局が嫌がりそうですね)

・起業・ベンチャー支援として、100万社起業を目指す
(100万社?)

| | TrackBack (0)

2009.07.15

IFRS襲来

書店の雑誌コーナーで平積みになっている週刊ダイヤモンドの最新号は「IFRS襲来!」。

IFRS関連の書籍は特に今年になってからよく見かけるようになりましたが、ダイヤモンド社はタイミングを見計らっていたのでしょう、6月の金融庁企業会計審議会の中間報告を受け、満を持しての特集といった感があります。

この特集は入門編と実務編に分かれているのですが、わずか14ページの入門編に「50分でわかるIFRS」とタイトルが付いています。ざっと読むなら5分もかからないところですが、「流し読まずに、50分くらいかけてじっくり読んでくれ」という記者の自信の表れなのでしょう。力の入った特集です。

会計と同時に興味深いのが、税務への影響。例えば、ちょうど同じ時期に公表された公認会計士協会の「平成22年度税制改正意見・要望書」を見ますと、重要要望事項の筆頭として、IFRSの法人税制への影響が言及されています。要約すると、会計基準と税法基準の乖離が大きくなってくるので、「我が国の損金経理要件を中心とする確定決算主義の在り方が大きな転換点に立っている。損金経理要件を中心とする確定決算主義の在り方を弾力的に見直されたい。」という主張です。

IFRSへの対応が迫られる上場企業と、国際的な会計の潮流とはまったく無縁な多くの中小企業を、法人税法という一つの法体系の中で括っていくには、どうしたらいいのでしょうね。

090715

| | TrackBack (0)

2009.07.11

易化した? 会計士試験

数年前に公認会計士の試験制度が変わり、以前に比べてかなり合格しやすくなっているとのこと。金融庁などは行政の目標としてしばらくは毎年3,000人の合格を目指すと言っているようです。

ところで写真は1980年ころのTACの経済学のテキスト「徹底解説・ミクロ経済学」「同・マクロ経済学」の裏表紙です。そこに、受験校のPRとして当時の会計士二次試験の合格者数(とTACの受講者数)が氏名とともに載っていますが、これを見ますと
 1979年 283名
 1980年 252名
 1981年 241名
となっており、なんと現在の10分の1以下、いかに当時の二次試験が難関であったかが想像つきます。

はたして金融庁の掲げる目標通りの合格者が維持されるかどうか疑問もありますが、今が合格のチャンスであることには違いないでしょう。ただし早めに。

090711

| | TrackBack (0)

2009.04.11

追加経済対策で贈与税減税

政府・与党が追加経済対策を決定、その中に一部減税措置も含まれています。

その目玉は贈与税でしょうが、住宅の購入や増改築に限定、しかも直系尊属からのみ、500万円まで。現行の基礎控除110万円と合わせて610万円の非課税枠となるわけですが、すでに3500万円という相続時精算課税という制度もあるわけだし、何だか小手先だなあ、という感は否めません。これは理屈ではなく感覚ですが、思い切って贈与税は無税、というぐらいのことをやらないと、経済対策にはならないんじゃないでしょうか。

この贈与税減税に対して「金持ち優遇」との批判もあるようですが(「金持ち」の定義がよくわかりませんが)、本当の金持ちにとっては、そもそもこの程度の減税策ではまったくインセンティブにはならないでしょう。

折しも発売中の経済誌は、日経ビジネスが「1300万人が抱えるマンションリスク」、東洋経済が「どこまで下がる? 不動産・マンション」という特集。今が底値買いのチャンスと見るか、先行き不透明感から今は購入に踏み切らないか。見方は様々でしょうが、将来への不安が強すぎる現在、贈与税減税部分に限っていえば、この経済対策は、あまり効果がないように思えます。

Continue reading "追加経済対策で贈与税減税"

| | TrackBack (1)

2008.12.18

オーナー課税廃止法案

17日の日経の記事より。
「民主 税制で対決・・・民主党は税制改革で政府・与党との対決姿勢を鮮明にする。」

ということで、与党と民主党の税制改革案の対決が注目です。民主党税調の会長は大蔵省OBで元蔵相の藤井裕久氏なので、現実性のある改正案が提示されると予想されますが、民主党は先だつ15日に法人税法の一部改正案および租税特別措置法の一部改正案の2法案を参議院に提出しています。

改正点は次の4点。
・外国子会社からの受取配当の益金不算入
・特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入制度の廃止
・欠損金の繰戻し還付の今年度からの復活
・中小企業に係る法人税率の半減

中小企業に対する軽減税率の引き下げは
 与党案 22%から18%へ、21年4月から2年間の時限的引下げ
 民主案 22%から11%へ、21年2月から2年2ヶ月間の時限的引下げ
と大幅に異なっています。

ポイントは何といっても悪名高き「法人税法35条 特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入制度(オーナー課税)」の廃止を昨年に引き続いて提案している点で、全国の中小企業経営者をはじめ以前からこの廃止を主張している税理士会や法人会、商工会議所は、この部分だけに限って言えば民主党を支持すべきとなるわけですが、一般国民にはなじみがない論点なのでマスコミ報道もなされず目立った議論も行われないでしょうから、与党側としては恐るるに足らずかもしれません。(日経などは官僚と組んでこの税制の導入のバックアップをしたフシもありますし)

| | TrackBack (0)

2008.12.14

与党の平成21年度税制改正大綱

12日に、与党の平成21年度税制改正大綱が公表されました。景気の下降局面の長期化・深刻化という背景のもと、今までの税制改正の流れに逆行する部分も見受けられる内容ですが、ここはやむを得ないところなのでしょう。基本的考え方として、「内需刺激のための大胆かつ柔軟な減税措置」ということで5つのポイントが列挙されています。

1.やはりまずは国内の住宅投資でしょう、ということで、住宅ローン減税と土地の譲渡益課税に手当て。
2.やはりわが国の自慢は自動車でしょう、ということで、自動車の買換・購入需要の促進策。
3.やはり日本は工業力でしょう、ということで、企業の設備投資と海外利益の還流策。
4.やはり支えているのは中小企業でしょう、ということで、税率引き下げ・繰戻し還付・事業承継。
5.やはり何だかんだ言っても金融市場も大事でしょう、ということで、現状の維持・拡大。

中小企業税制。
軽減税率の引き下げは、21年4月以降終了事業年度から(つまり4月決算法人から)。
欠損金の繰戻し還付復活は、既報の通り21年2月以降終了事業年度から(つまり2月決算法人から)。
悪評高い「特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入制度」については、「その適用状況を引き続き注視する」とのこと。注視なんかしてないで直ちに中止して下さい!

5000円の電子申告税額控除。
2年間延長。結局まだ思惑通りの普及率に至りそうにないのでしょう。延長は朗報ですが、一人1回きりなんて言ってると、昨年この控除を受けた人は、また紙の申告に戻っちゃうよ?

介護医療保険料控除。
生命保険料控除を改組し、介護医療保険料控除として分離させ「一般生命保険・個人年金保険・介護医療保険」の3本建てとし、控除限度を4万円に引き下げてトータルでは12万円に。これって事務の手間が面倒じゃないですか、と思ってよく読むと、平成24年分の所得税から適用とのこと。なんか保険会社や年末調整を行う企業の手間を増やすだけのような気もしますが。

Continue reading "与党の平成21年度税制改正大綱"

| | TrackBack (2)

2008.12.06

繰り戻し還付復活

昨日の日経夕刊一面は、「海外子会社からの配当を非課税に」という自民党税調の方針のニュース。先の政府税調の答申にもありましたね。

その隣には、「金融所得一体課税の導入を一年先送り」というニュース。

今日の日経朝刊一面には、中小企業支援策として「欠損金の繰り戻し還付」と「軽減税率の税率引き下げ」というニュース。長らく停止されていた「繰り戻し還付」の復活は、諸団体からの税制改正要望事項に常に含まれていた項目ですが、やっと実現、というより、この経済状況ではやむを得ないでしょう。「2009年2月以降に決算期を迎える企業を対象」とのことですが、その変則ぶりにも、緊急事態の様相が表れているようです。

| | TrackBack (0)

2008.11.29

政府税調の薄い答申

政府税制調査会の「平成21年度の税制改正に関する答申」が出たので早速目を通してみました。

「えっ、どうしちゃったの?」というくらい薄っぺらくて、 本文はわずか8ページ、文字にして約5800字。名前を連ねている委員が38名いるので、単純に頭数で割ると一人当たり約150字程度で、その量がどのくらいかというと、このブログの文頭から「ここ」までが約160字くらいだから、まあそんな感じです。

本文の中には、能書きのような現状分析や昨年の答申の引用も含まれているので、実質的内容はほとんどなく、これが答申といえるのかは疑問のあるところですが、具体的に述べているのは次の3点のようです。
1.相続税 国民の理解を得ながら議論を深めよう!
2.国際課税 企業の海外での利益を国内に環流させよう!
3.固定資産税 ほぼ今のままでOKだね!

日経なんか今朝の5面で小さく取り上げているだけでした。(ちなみに昨年なんかは朝刊1面トップでしたのに)

Continue reading "政府税調の薄い答申"

| | TrackBack (2)

2008.11.27

相続税の改正、先送りか

年末も近づき、税制改正の動向が気になる時期ですが、関連する記事が二つ。

まず読売。例によって主語が曖昧な日本語です。

「政府税制調査会が28日に麻生首相に提出する2009年度税制改正答申の全容が明らかになった。
焦点だった消費税の税率引き上げについては具体的な言及を避け、政府が年末までに策定する税制抜本改革の「中期プログラム」で、改革の「基本骨格」として「消費税を含む抜本改革を速やかに開始し、時々の経済状況をにらみつつ、2010年代半ばまでに段階的に実行する」との方針を盛り込む考えを示すにとどめた。
そのうえで、「抜本改革の実施時期を明らかにしたプログラムとすることを強く求めたい」と提言した。
答申は、「昨年の答申に示した各税目の改革の考え方は揺るぎなく堅持すべきと考える」と指摘。このほか、相続税の課税方式を見直すべきとの考えや、海外子会社の利益を日本国内に還流しやすくする国際課税を創設する方針なども示した。」

以上は政府税調の話。なるほど、海外子会社からの配当課税がどうなるかは注目点の一つでしたが、相続税の見直しもこの分では予定通りやるのかな、と思っていたら、日経の夕刊一面から『相続税の抜本改革 先送り』の見出しが目に飛び込んできました。こちらは自民税調の話です。

で、その日経。

「自民党税制調査会は27日、2009年度税制改正の焦点だった相続税の抜本改革を先送りする方針を固めた。景気後退局面を迎えるなかで、最高税率の引き上げや課税対象の拡大、課税方式の変更は困難と判断した。来月中旬にまとめる09年度税制改正大綱にこの方針を盛り込む。
同日午前の党税調正副会長・顧問らの会合は先送り論が続出。税調幹部は会合後、「デメリットが多過ぎる。とても来年度税制改正で結論が出そうにない」と語った。」

要は、財務省は、格差問題への対処(と税収確保)のため資産の再配分を進めるべく、相続税の仕組み全体の見直しと最高税率の引き上げを目論んでおり、多分すでに法案まで仕上がりつつあったと思われますが、このとんでもない経済状況の中、政治的には「デメリットが多過ぎる!」ということで先送りになりそうだ、ということですね。

デメリットといっても、亡くなる人の95%は相続税に無縁なわけですから、消費税の議論と違って、人数的にも99%以上の国民には相続税の改正など無関係の話。やはり「増税」という言葉が景気に与える心理的影響が大きすぎるのでしょうか。

| | TrackBack (0)

2008.09.27

相続税の今後

秋になりますと、そろそろ税制改正の動きが気になってきます。

消費税の税率アップが難しそうな状況の中、今回の注目点は、相続税の大改正がどうなるかというところでしょう。昨年の税調の提言から始まって、相続税増税へ向けての流れは出来ていたわけで、主税局は税理士会と何度も意見交換会を開いて実務レベルでの問題点も整理されつつあるようですし、噂ではすでに法案作成に着手という話も聞きますので、あとは、いつどのような形で新体系が姿を現すか待つばかり、といったところです。

財務省としては、消費税増税は今は難しそう、法人税を下げろと言う声もうるさくなってきた、さてどうしよう。そうだ相続税がある。人は必ず死ぬ、つまり相続というのは確実に発生する、しかも金融資産を多く持った高齢者は多い、となると、ここから税をいただくしかない。幸い理論的根拠はバッチリだし、弱者いじめでもないから国民的反発も受けにくい・・・という感じなのでしょう。ホームページ上で、今までいかに相続税の減税をしてきたか、以前は全死亡者の8%近くあった課税件数がいかに半減したか、などを盛んにアピールしています

新しい計算方法や節税などテクニカルな話題はいずれ溢れてくると思いますが、大きく変わる部分として注目しておきたいのは、従来の「亡くなった方の遺産総額がいくらだったのか」という総額把握を前提とした仕組みから、「自分がもらった遺産の分だけ税金を納めてハイおしまい」という相続人各人が中心の仕組みへ、例えるなら家中心から個人中心へと、思想が転換するという点でしょう。

その転換により、遺産分割の場で繰り広げられる人間模様が今後どのように変わっていくのか、ひょっとしたらこの改正が、家というものを尊重してきた日本の文化の一つの終焉をもたらす引き金になるのではないか、そんな風にも思えてきます。

Continue reading "相続税の今後"

| | TrackBack (0)

2008.09.25

法人税率の引き下げ

昨日の日経の小さな記事。

「日本の法人税の実効税率がOECD加盟30カ国中、七年連続で最も高いことが民間の調査でわかった。(中略)経済産業省や日本経団連などは引き下げを求めており、こうした声が一層強くなりそうだ。」
(9月24日・日経)

ここでいう民間の調査とは、KPMGが4月に実施したもの。例によって主語が何なのかよくわかりにくいマスコミ表現ですが、私なりに意訳すると次のようになりましょう。

「大手会計事務所KPMGインターナショナルは、今年4月に実施した調査において、日本の法人税の実効税率が、国税と地方税を合わせて40.7%と、OECD加盟30カ国中、七年連続で最も高いというデータを明らかにしている。こういう状況の中、経済産業省や日本経団連などは、かねてより実効税率の引き下げを求めている。日本経済新聞社としても同様の意見を持っており、こうした意見が、行政や一部財界だけではなく、国民的世論として盛り上がることを、当社は希望している。」

080925
(経済産業省:中間論点整理の資料より)

政局が落ち着かないこの時期、声高に法人減税を叫ぶと一般的国民感情から反発を招きかねないので、とりあえず様子見という観測気球的ニュアンスが、記事の小ささに表れていると思うのですが、この記事の背景には、9月16日に経済産業省と日本経団連から同時に公表されたレポートがあります。

Continue reading "法人税率の引き下げ"

| | TrackBack (0)

2008.08.01

非上場株の価格算定指針など

8月になりまして、暑い日がまだまだ続くなあ、とうんざりする一方、今年ももうあと5ヶ月か、と時の流れの速さに感じ入ってみたりしながら、7月の気になった新聞記事を読み返してみました。

7月17日の日経夕刊には、「中小企業庁が年内にも非上場株の価格算定指針を作る」という記事が。将来的には、国税庁の財産評価基本通達への反映も目指すとのことですが、M&Aなどの取引目的と国家の徴税目的では考え方も異なるでしょうから、どのような形に取り纏めるのか興味あるところです。このあたりの動きはウォッチしなくてはなりません。

同じ日の朝刊には、わが国の高い法人税率のせいで日本企業の海外利益が国内に還流せず税の空洞化が進んでしまう、という記事。このへんの報道が、秋に税制改正案として具体化してくるのでしょう。

7月19日は、旧長銀の粉飾決算事件の最高裁判決の記事。こちらは会計基準がらみのお話しですね。

| | TrackBack (0)

2008.07.27

ふるさと納税

昨日の日経プラスワン1面は、「ふるさと納税、利用する?」

080727

記事によると、ネット調査でふるさと納税について尋ねてみたところ、この制度を知らない人が約3分の1もおり、知っている人のうちでも利用したいと思っている人は約2割、とのことで、思ったより少なめです。

というのも、当事務所のお客さんから、これを利用したいという問い合わせを既に先月の段階で2件ほどいただきましたので、結構皆さん関心をお持ちなのだなあと思っていたのです。もしかしたら「ふるさと」という言葉が先行しすぎて、東京出身で故郷を持たない人などは、はなから「オレには関係ねえ」状態なのかもしれません。

誤解が多いと思われるのは、これは住民税の納税先を切り替えるのではなく、あくまで寄附制度であって、任意の自治体に寄附をした分だけ、今住んでいる自治体に対する翌年の住民税が控除されるということ、寄附する先は必ずしも出身地である必要はなく、自分の気に入った自治体ならどこでもOKということ、の2点でしょう。

もう一つ、寄附をした翌年に所得税の確定申告が必要ですので、忘れてはいけません。

さらに言えば、どの自治体に対してもOKということは、今自分が住んでいる自治体に対しても適用があるわけですから、受動的に住民税を納めるよりは、主体的な意思を持って、寄附という形で納税の義務を果たすことも可能なわけです。経済的合理性からみれば酔狂なことでしょうが(手続や確定申告の手間・5000円の足切り)、自分の納めた税が地域社会でどう使われるのか関心を持つきっかけと捉えれば、無意味なことではないでしょう。

| | TrackBack (0)

2008.06.18

消費税増税・決断の時期?

今日の日経一面は「増税の是非『決断の時期』」とあります。

その要旨は「首相、G8通信社との会見で語る。これまで消費税増税について踏み込んだ発言をしてこなかった福田首相だが、税率や時期には言及しなかったものの、この発言で政府・与党内の税制改革論議が加速する可能性がでてきた。また同日、経済財政諮問会議は「消費税を含む税体系の抜本的な改革」を掲げた「骨太方針2008」の議論を開始した。」ということでした。

国民に「税率アップもやむを得ないな」感覚を植え付ける作戦も総仕上げ段階に来たという感じですが、実際にどうなるのか、今後の行方に注目です。

Continue reading "消費税増税・決断の時期?"

| | TrackBack (0)

2008.06.12

寄付と寄附

いつの間にか鬱陶しい6月に入ってしまいました。

毎年この時期は、共同執筆している税金解説本の改訂作業のため、編集会社に集まって税制改正のチェックなど長時間のミーティングを行うのですが、そこで話題になったのが「寄附金税制」の改正でした。賛否両論あった「ふるさと納税」も個人住民税の寄附金控除を利用した制度として設計されましたが、寄附金税制は今年度の改正点の中でも大きな柱の一つです。

その中で、目立たないながらも語句の置き換えが同時に行われていました。所得税法78条の「寄附金控除」です。この条文、昨年度までは「寄付金控除」となっていたのですが、今回の改正の際に「寄付」が「寄附」へ置き換えられたのでした。

法人税法37条の「寄附金の損金不算入」という規定は以前から「寄附」となっていて、同じ税法でも今までは所得税法と法人税法で用語が一致していなかったのですが、今回の改正で「寄附」に統一されたことになります。

この言葉の使い分けについて、興味ある方はgoogleで「寄付と寄附」といったフレーズで検索してみましょう。ためになる知識が得られるかもしれません。

| | TrackBack (1)

2008.05.23

最近の税務調査で

3月の個人の確定申告シーズンが終わったと思ったら、待っていたかのように法人の税務調査が立て続け。そうこうするうち今度は3月決算法人の申告時期に突入。なかなか息をつけません。

さて最近の税務調査ですが、機密資料を署外で紛失したら一大事ということなのでしょう、調査官は調査対象会社の申告書を調査当日に持参してきません。代わりに電子データ化された各種資料(申告データや分析数値など。ただし、わざわざ紙にプリントアウトしたもの!)を持って来るわけですが、調査官曰く、「どうもこういう資料は私ら現場の者にとっては見にくくてダメでなんです。すみませんが会社で保管されている申告書の控があるでしょうから、それを拝見させてくれませんかねえ?」

決算書や勘定科目の明細書も含めた税務申告書の会社控は、今後は税務調査の際に(円滑な調査に協力するという意味で)提示する可能性があることを想定して、やたらとマル秘メモなどを書き込まないように注意する必要があるようです。

企業が提出した税務申告書は、受理されたあと署内で直ちに電子データ化され各部署で利用されるわけですから、もはや紙での申告は時代遅れとなりつつあるのは間違いない、と実感した調査立会でした。

| | TrackBack (1)

2008.03.19

確定申告のシーズンが無事終了

所得税の確定申告のシーズンが無事終わりました。今年は閏年だったことと最終期限が3月17日だったことで、通常より3日余裕があり、ずいぶんと助かりました。

最後に残ったのが自分の消費税の確定申告です。昨年のように「e-Tax」で行おうと準備を始めました。昨春にPCを入れ替えていたために、e-Taxソフトと電子証明書のインストールをゼロから行わなくてはならず、ちょっと手間取ってしまいましたが、何とか終了。履歴を見たら、昨年も全く同じ3月19日の午後に申告(送信)していたようで、人間というのは無意識のうちに同じようなリズムで行動してしまうのでしょうか。

ところで、今年の申告における個人のe-Tax利用率はどうだったのでしょう。5000円の税額控除の効果がどの程度あったのか、興味あるところです。

| | TrackBack (0)

2008.02.11

中小企業における経営の承継の円滑化法案

先週のことですが、「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律案」が公表されました。(経済産業省)

この法案の条文数は16条にすぎませんが、附則に「政府は、平成二十年度中に、中小企業における代表者の死亡等に起因する経営の承継に伴い、その事業活動の継続に支障が生じることを防止するため、相続税の課税について必要な措置を講ずるものとする。」というのがポイントですね。

中小企業の経営・事業承継に税金の話は避けて通れません。施行予定日が20年10月1日となっているこの法案の行方、しばらくウオッチです。

| | TrackBack (0)

2008.01.28

中小企業会計指針の公開草案

先日、中小企業の会計に関する指針作成検討委員会から、同指針についての平成20年改正に係る公開草案が公表されました。

今回の改正案は、企業会計基準委員会公表の企業会計基準第9号「棚卸資産の評価に関する会計基準」と第13号「リース取引に関する会計基準」に対応した会計処理の見直しが中心とのこと。

税制改正の動向と同時に、会計基準の動きもフォローして行かなくてはならないので、なかなか大変です。特に会計ビッグバン以前に財務諸表論の勉強をしたままの人は、頭を切り替える必要があります。会計に関しては、昔とった杵柄は通用しない、といえましょう。

会計周りの知識を体系的に整理しておこうと、昨年は、青山学院大学大学院の会計プロフェッション研究科が税理士向けに開設した講座に一年間通いましたが、財務会計のみならず、会社法から監査、内部統制、管理会計まで、とてもいい知識のブラッシュアップになりました。

| | TrackBack (0)

2007.12.08

続・e-Taxで5,000円の小遣い稼ぎ

以前、「e-Taxで5,000円の小遣い稼ぎ」という話を書きましたが、最近あるところでこういう話を聞きました。

「国税庁に勤める知り合いから、「e-Tax」の利用率を上げるために還付申告をすることを頼まれたので、『オレは年末調整で済んじゃうんで、そんなの関係ねぇ』と断ったら、『だったらいいこと教えよう。そういう人でも自分でもう一度「e-Tax」で確定申告するだけで、あと5,000円税金が戻るんだ。だからぜひ。・・・だけど、あまり言いふらさないようにね!』 利用率を上げたいんなら、そういうことこそ大々的にPRすればいいのにねえ・・・」

| | TrackBack (1)

2007.10.19

増税論議復活

秋になると、税制改正の話題が紙面を賑わしますが、今週も連続して登場です。

10月16日 中小の相続税8割軽減 政府・与党案(日経1面)
 中小企業の後継者の相続税負担を軽減する事業承継税制
 について、拡充案が明らかに。

10月17日 証券優遇税制 廃止の方針 政府税調(日経3面)
 自民党は延長論、民主党は打ち切り要求。
 国会で延長されなければ優遇税制は自動的に打ち切りになる。

10月18日 消費税最大2.5%上げ必要 内閣府試算(日経1面)
 福田政権に替わって、封印されていた増税論議の制約が解かれた?


中小企業の事業承継税制の軽減について、「財務省などには企業オーナーを優遇することへの不公平感から難色を示す意見もある」(日経)とありますが、政治家や官僚、マスコミの人達には、感覚的に理解できない分野なのでしょう。「錯乱の税制」と言われた中小企業のオーナー課税問題も、「定着した」などと思われてしまっていたら困りものです。

| | TrackBack (0)

2007.07.21

住民税の負担増

住民税がらみの話題をもう一つ。

最近、6月から個人の住民税負担が増えたことによる重税感を紹介するマスコミ記事をよく目にしますが、これは改正直後からわかっていたことであり、総務省や自治体もかなり前からしきりにアナウンスしていたわけですから、何を今ごろ、と思う部分もありますが、納税者の本音は、下のアンケートの見出しにもあるように「事前に知っていても腹が立つ」というところにあるのでしょう。

「3か月以内に知ったという人が7割にのぼりました」というのも、結局のところ源泉徴収制度で骨抜きにされた国民の納税意識の反映なのでしょうね。

| | TrackBack (0)

2007.07.18

住民税未納疑惑

参議院選候補の元テレ朝丸川アナが、期日前投票をしようと新宿区役所を訪れたところ、選挙人名簿に名前がなく投票できなかったうえ、住民税の未納疑惑まで取り沙汰されてしまったという報道がありました。

「丸川氏は平成15年6月、住民票の転出届を出しテレビ朝日のNY支局に赴任。16年6月に帰国したが、今年4月20日前後になって転入届を出したという。陣営は『公示日前日から3カ月前の4月11日までに転入届を出していないと投票できない。29日も投票は厳しい。こんなことになるとは』とガックリ。一昨年の衆院選や4月の統一地方選も投票していないことまで発覚。気になるのは約3年間の住民税だが、陣営は『テレ朝からもらっていた給与明細を本人が確認したら住民税を納めていた。どこの自治体かは、テレ朝に聞かないと分からない』と話した。(サンスポ)」

個人の住民税は1月1日の住所地に納税することになるので、未納疑惑が指摘されるのはわからなくもありませんが、テレ朝の事務担当部門が無能だとは考えにくいですし、住登外課税という例外もあるわけですから、その間投票に行っていなかったことは別問題として、もし未納疑惑を批判したいのならば、まず事実関係を確認のうえで行わなければなりませんね。

さて事実はと言うと、
「住民票の移し忘れから今回の参院選の投票権を失い、住民税未納疑惑が浮上していた自民党の東京選挙区候補で元テレ朝日アナ丸川氏が17日、都内で納税通知書のコピーを報道陣に公開した。少し疲れた表情の丸川氏は、都民税、住民税の納税通知書のコピーを差し出すと『住民税はちゃんと払っておりました』。コピーは平成16年度から18年度の3年分で、納付先は新宿区。18年度は約76万円を納めた。(サンスポ)」
ということで、地方税法294条3項により、実際のお住まいできちんと納税(というより会社側がきちんと特別徴収)していたようです。憶測だけで「未納か?」などと報道されてしまった丸川氏にはちょっと気の毒な出来事でした。

この顛末でわかったのは、
・住民登録というのは、行わなくても意外と生活できるものなんだなということ。
・政党側も、候補者選定に当たって、きっちりとしたリサーチをしていないんだなということ。
ですが、自民党がそんなに脇が甘いとは思えないので、(意図はわかりませんが)これも想定内の出来事なのかもしれません。

Continue reading "住民税未納疑惑"

| | TrackBack (0)

2007.07.07

e-Taxで5,000円の小遣い稼ぎ(後編)

もう一歩先。そのポイントは、この還付手続きを、職場や地域・グループなど、団体として組織的にやってしまおう、という点です。

この税額控除は、そもそも、e-Taxを使うための準備コストに対する補助金的性格を持っていますので、既に電子証明書やICカードリーダライタを持っている人以外は、5000円の還付を受けても準備コストで消えてしまい、手許に残るキャッシュはわずかです。

そこで、この大作戦の登場です。
ICカードリーダライタなど日常的に使うものではないので、個人で買っても宝の持ち腐れです。だったら、リーダライタを繋いだ電子申告専用のPCを会社で1台用意し、昼休みにでも社員に解放して、自由に還付申告に使ってもらったらいいのではないか。これなら電子証明書の取得コストだけの負担になりますので、一人当たり4,000円の小遣い稼ぎになります。

会社だけではありません。アルバイト学生用に大学の学生課に設置、年金所得者向けに医療機関の待合室に設置、住民向けにマンションの管理人室に設置、そしてもちろん自治体のサービス窓口にも設置です。少なくとも、e-Tax普及率に一喜一憂している国税庁・財務省職員は、職場単位で実施すべきでしょう。さらに言えば、この手続きを、税務職員のみならず、すべての国家公務員と地方公務員が率先して行い、国民に見本を示す、というプランが考えられます。

とまあ、これが「大作戦」である所以なのですが、セキュリティへの配慮とICカードリーダライタメーカーの反発を度外視すれば、なかなかおもしろいアイデアです。

この話をある幹部当局者にしたところ、「うーん、そんなことが法的に出来るのかなあ? システム上の負荷も心配だなあ! ・・・いや、やはりそれは(そんな還付申告は)出来なんじゃないかなあ?」という否定的感想(あくまで雑談上です、公式見解ではありません)が返ってきました。

一方、提唱者であるK税理士は、
「法的には可能だし、立法者も、その程度のことは当然想定しているはずです。ただし大いに宣伝されて5000万サラリーマンが一斉に、というところまでは想定外かもしれません。少数ならよくて多数だったらダメなんてことは言えないことだから、「行き過ぎた節税策」とかいう名目で規制がかかる可能性はないと思っています。国税当局は、おもてづらは渋い顔をしながら、裏では喜ぶような気がします。総務省と自治体は大喜びのはずです。」
との見解。

この作戦のデメリットは
・かける手間や時間コストに見合うリターンか、という費用対効果の問題
・所得状況が国税当局に把握されるリスク(などと表現してはいけませんね)
・故意による過大還付申告(国を相手にした一種の詐欺行為)の横行による混乱

一方、納税者にとってのメリットは
・一生に一回の数千円のお小遣い
・取得した電子証明書やICカードリーダライタが今後役立つ(こともあるかもしれない)
・納税意識の向上(?)

この大作戦、今後の半年間でどのように展開していくか、密かに注視したいと思います。

| | TrackBack (1)

2007.06.28

e-Taxで5,000円の小遣い稼ぎ(前編)

先日は、6人の税理士で共同執筆している税金本の2007年版改訂のための編集会議。夕方から深夜まで、ぶっ通しで8時間近くかけて改正点の総チェックです。

さて、その中で、メンバーの一人であるK税理士から披露された話が、電子申告e-Tax利用による「サラリーマンの5000円の小遣い稼ぎ大作戦」。

今回の改正の目玉の一つ(と言えるほどのものかはわかりませんが)は、「国税電子申告・納税システムe-Tax(イータックス)」普及のための「電子証明書等特別控除」の創設です。

これは、個人の納税者が、住基ネットのICカードなどに搭載された電子証明書を自分で用意したうえで、平成19年分か平成20年分のいずれかの所得税の確定申告をe-Taxを使って行えば、所得税額が5,000円控除されるというものです。

これは、e-Taxを使うために必要な電子証明書やICカードリーダライタを用意するためのコストに配慮しての制度ですが、この「小遣い稼ぎ大作戦」は、本来確定申告が必要ないサラリーマンなどの給与所得者も、あえて確定申告をしてこの制度の恩恵を享受してしまおうというもの。

「電子証明書等特別控除」を受けるために、例えば、生命保険料控除証明書を年末調整時に使わずに温存して、自分で生命保険料控除の還付申告をe-Taxで行い、その際に5,000円の「電子証明書等特別控除」を受ける、とうプランはよく聞かれるところですが、この「大作戦」はもう一歩先を行きます。

すなわち、年末調整により手続きが完了してしまった給与所得者が、e-Taxの利用届を出し、電子証明書やICカードリーダライタを用意して、自分の源泉徴収票のデータをそのまま送信してしまおう、というもので、通常なら還付も納税もない全く無意味な行為なのですが、この2年間に限っては、その無意味な行為が税の還付により5,000円のキャッシュを生む、というわけです。

制度的には、「確定申告不要」の規定はあっても「確定申告禁止」という規定はないので、特別な規制でも行われない限り、この作戦は成り立ってしまいます。

ところでこの作戦のポイントは、これだけではありません。さらにもう一歩先があるのです。

| | TrackBack (1)

2007.06.22

分厚くなる会計法規

070622会計基準の公表が続いています。

中央経済社の「会計法規集」は半年ごとに新版が出ますし、リニューアルして全面横組となった「監査小六法」は厚さ7センチ。

写真は税務経理協会から出ている「会計諸則集」です。左は学習用と銘打たれていた頃の平成11年版(約370ページ)、右は最新の平成19年版(約1300ページ)。単純計算で3.5倍の分量に増えています。

会計ビックバン以前に会計の勉強をしたままの人は、知識のブラッシュアップが必要ですね。

Continue reading "分厚くなる会計法規"

| | TrackBack (0)

2007.06.09

e-Tax利用が14倍に

先日、国税庁から「平成18年分の所得税、消費税及び贈与税の確定申告状況について」の記者発表がありました。

一部新聞では、「e-Tax利用者が前年に比べ14倍に!」と大きく報じられましたが、前年の利用者数が少ないためこのような倍率になるわけで、「14倍」という数字自体にはあまりインパクトはありません。「全申告数に対する利用率は2.1%と依然低水準(産経新聞)」というのが実態です。

私も今回、自分の消費税の申告はe-Tax利用で行いましたが、たしかに簡単な申告には便利です。

今年の税制改正で、一人につき2年間に1回だけという制約付きですが、5000円が税額控除される電子申告控除も創設されましたので、ある程度普及が進むことは間違いでしょう。


<国税庁・記者発表資料より>

所得税・消費税のe-Tax利用は59万3千件
 e-Taxについては、(1)本年の所得税の確定申告期間中の24時間受付、(2)作成コーナーからの直接送信、(3)税理士等が依頼を受けて税務書類を作成する場合、その依頼者の電子署名及び電子証明書の添付省略など、利用者の皆様の利便性の向上を図った結果、所得税の申告件数は49万1千件(前年比約14倍)、個人事業者の消費税の申告件数は10万2千件(前年比約11倍)と大幅に増加した。

| | TrackBack (0)

2007.06.06

基本方針2007

経済財政諮問会議の「基本方針2007」の素案が公表されました。

税制の部分の概要は先週の日経に報じられていましたが、具体的に明示さている注目点は次のあたりでしょうか。

「消費税を含む税体系の抜本的改革を実現させるべく、取り組む。」
「その際、「基本方針2006」で示された歳入改革の基本的考え方や与党税制改正大綱を踏まえることとする。」
「リスクへの挑戦を促す観点から、金融所得課税等の在り方を検討する。」
「寄付金税制等の在り方を検討する。」
「納税者番号の導入に向けて、社会保障番号との関係の整理等を含め具体的な検討を進める。」
「税制を簡素化するとともに、電子申告を促進し、徴収方法を効率化する。」

ちなみに税制改正大綱を見ると

<自民党 18.12.14>
金融・証券税制
・上場株式等の配当及び譲渡益に係る10%の軽減税率は、その適用期限を1年延長して、廃止する。
・金融商品間の損益通算の拡大策等を検討の上、成案を得て、平成21年からの導入を目指す。

とあります。

| | TrackBack (0)

2007.05.07

中小企業会計指針19年版

3月決算会社の申告月である5月も、はや1週間が過ぎてしまいました。

連休谷間の5月2日に「中小企業の会計に関する指針」の平成19年版が公表されていましたので、連休後半で目を通しておこうと思ったのですが、結局できずじまい。

とにかく休み明けというのは仕事モードになるのに時間がかかって困りますね。

| | TrackBack (1)

2007.04.29

e-taxは環境にやさしい?

所得税の確定申告時期が終わると、待ってましたとばかりに法人の税務調査が続きます。

ある会社の調査の立ち会い時に、調査官との雑談でe-taxの話になりました。

「法人税の申告書が電子申告されると、税務署としても保管が楽でいいでしょう?」
「署でいったん全部プリントアウトしますから、同じですよ」

e-taxはペーパーレスだから資源の節約になり環境に優しい、とは、必ずしも言えないようです。

| | TrackBack (0)

2007.03.17

e-Taxを利用しようと思ったら

確定申告の超多忙期も過ぎ、時間がとれそうな本日土曜日、自分の消費税の申告を「e-Tax」で行おうと準備を始めたら、

『e-Taxの利用可能時間・・・月曜日~金曜日の午前9時から午後9時 (祝日等を除きます。)』

とあるではないですか。たしか24時間受付可能になったと思い込んでいたのですが、それは2月16日から3月15日の確定申告期間だけだったようであります。

ここはぜひ改善をしていただきたいところですね。

| | TrackBack (0)

2007.02.15

確定申告期間に突入

ちょっと更新をサボっている間に2月も半ばとなってしまいました。

明日2月16日からは、いよいよ確定申告期間に突入。
個人の納税者の「e-Tax」利用率がどの程度になるか、興味あるところです。

070215

| | TrackBack (1)

2006.10.13

「e-Taxを普及させよ」

外務省が、利用者がほとんどいない「旅券電子申請システム」の停止を決めました。財務省の予算執行調査で「本システムの継続に合理性なし、廃止を含めた見直しを早急に検討すべき」と指摘されたのがきっかけのようです。

その財務省のお膝元である国税庁は、「電子申告(e-Tax)」の普及に躍起となっています。普及率は増えて来てはいるものの、当初の想定にはほど遠く、現状の使い勝手のまま普及させるには税理士の協力が不可欠とみたのか、国税局は各地の税理士会に、税務署は所轄地域の税理士会の支部にと、各レベルに応じた「e-Taxを普及させよ」との働きかけが始まっています。国税局は税務署間でe-Tax普及率を競わせているはずですので、最前線に位置する署の担当者は、ノルマ達成のため税理士会だけでなく法人会、青色申告会などへの協力要請で大忙しでしょう。

さて、個人の確定申告の時期ではありませんが、たまたま国税を納付する必要が生じたため、久しぶりに電子納税でも行って東京国税局のe-Tax利用率向上に協力しようと思ったのですが、ちょうど某銀行の前を通りかかった際に、ついフラフラと窓口で納税手続きを行ってしまいました。

所要時間は3分ほど。

東京に住んでいる私のような個人に限って言えば、金融機関での窓口納付の方が(空いていれば)圧倒的に早くて便利です。(余談ですが、一つの店舗に合併前の2つの支店が同居している某メガバンクのその奇妙な支店のカウンター内から若い女の子の行員が姿を消しているのにびっくり)

ただし、窓口が開いている時間内に金融機関へ行くことができない納税者も大勢いるはずですので、電子納税のニーズはかなりあるはず。国税サイドも、まず電子納税をきっかけにe-Taxを普及させる作戦を取ることが効果的と思うのですが。

Continue reading "「e-Taxを普及させよ」"

| | TrackBack (1)

2006.07.24

同族会社増税に対し東商が要望書

当ブログでも「サラリーマン法人潰し」として取り上げてきた同族会社への増税。ターゲットとなってしまった同族会社の皆さんも、ようやく課税強化を実感しはじめたようですが、先週送られてきた東商新聞を見ていたら、
「東京商工会議所は『特殊支配同族会社の役員給与の損金算入制限措置に関する要望』を決議」
という記事を発見しました。

要望書には
「本措置が及ぼす既存の同族会社への影響の大きさ、あるいは本来の政策意図と実際の影響との食い違い、さらには税体系全体との整合性など、いくつもの問題点が明らかになった。」
とあります。

問題点は当初からわかっていたのですから、「今ごろ遅すぎ!」という思いもありますが、やはり実際に増税額を試算した結果を、各経営者達がやっと実感として把握できてきた、ということなのでしょう。(問題点の一番目に「影響の大きさ」が指摘されています)

要望書全文は東商のサイトで読めますが、要点が6つにまとめられているので、要旨を簡単に紹介します。

060724

1.影響の大きさ

(1) 財務省発表数字よりも大きい可能性
財務省の発表によると本措置は300億円の増税で5~6万社が対象になるとの説明だが、東京税理士会の調査結果や当所23支部と当所税制委員会との懇談会における中小企業経営者自身からの意見、あるいは当所が実施した会員企業への聞き取り調査の結果などは、いずれも財務省の発表数字よりも影響が大きくなる可能性を示唆している。

(2) 既存の一般企業への影響が大きい
特に当所で実施した会員企業への聞き取り調査の結果を見ると、従業員規模、業歴とも十分に備えた一般の企業が本措置の対象となる事例を容易に見つけることができる。「個人事業者として設立すべきところ法人成りにより二重控除を受けようとする節税行為を防ぐ」という本措置の対象は、このような企業ではなかったはずである。


<ちょっとコメント>

※1 昨年12月に財務官僚から説明を受けた議員の言葉として「タレントみのもんた氏や大リーガー松井秀喜選手を例に、手当ての必要性を口頭でレクチャーされた」と聞き及んでいます。フタを開けてみたら身近な中小企業にこれほど影響があるとは、議員たちも想定していなかったのではないでしょうか。(ちょっとだまし討ち的なレクチャーですね)

※2 一方で「今回の改正は、将来の消費税増税への布石」という見方もあるようです。すなわち、税制の抜け道として国民が不公平感をもっている部分を塞いで、「さあ、法人成りで節税メリットを享受しているような方々への対策はとりました。これで皆さんの不公平感は解消されましたね? では、残るは消費税の税率アップしかありませんよね!」と国民を納得させるステップの一つというものです。

Continue reading "同族会社増税に対し東商が要望書 "

| | TrackBack (0)

2006.06.30

役員給与課税の激変

今年もあっという間に半年が過ぎてしまいました。

会計事務所という立場で今回の税制改正の目玉は何かと考えたら、やはり法人税における役員給与の取扱いの大転換でしょうか。

060630_2

税理士試験の法人税法でも第34条以下の役員給与関連は、毎年必ずヤマとして取り上げられる基本中の基本ですが、新会社法の施行にともない、条文も大きく変わりました。

中でも
1.特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入
2.事前確定届出給与の損金算入
は、実務上、頭を悩ませるところです。

1は、実質的な一人会社のオーナーへの役員給与の給与所得控除相当額を損金と認めない、中小企業にとって課税強化となる改正で、当ブログでも「サラリーマン法人潰し」として取り上げてきました。

2の事前確定届出給与については、約7割の企業が導入を検討中とのこと(週刊税務通信の調査)。国税庁からはQ&Aも公表され、導入を決定し、すでに確定額を届け出た法人も多数あることでしょう。

ということで、明日からの半年は、会社法をはじめとする改正法への現実的対応に追われる日々が続きそうです。

| | TrackBack (0)

2006.04.15

電子申告の弱点(後編)

前回のつづきです。
3月下旬のある日、個人事業者として消費税の納税をしようと納付書を取り出しました。消費税申告書の方は、3月15日までに所得税の確定申告書と一緒に提出済みでしたので、あとは納税手続きのみです。(個人の消費税の申告と納税の期限は3月31日)

そこでふと思い出したのが、電子申告・納税システム「e-TAX」のことです。電子証明書は持っているし届出も出してあるし、何よりも電子納税は以前に実際に行ったことがあるので、久々に試してみようと思いました。

まずPCにインストールしてある「e-TAX」ソフトをオンラインでバージョンアップ。ちょっと垢抜けないデザインのソフトを立ちあげ、基本的な流れを再確認(ここで時間がとられる)します。次いで、以前利用したときにメモした手順書を探し出して、暗証番号と納税用確認番号を確認。

あとは、電子証明書とICカードリーダライタをセットし、という段になり、肝心のそれらが見あたりません。証明書は重要なものなのでどこかに仕舞い込んであるはず。リーダライタは、パソコン周辺機器を入れたいくつかある段ボール箱のどこかに入っているはず。どちらも時間をかければ見つかることはわかっているのですが、いったいどこに・・・そんなことをしているうちに三十分以上経過。電話がかかかってきたり来客があったりで、そのうち探すのが面倒になってしまいました。

結局次の日、外出するついでに銀行の窓口で納付することに方針を変更しました。合併で長ったらしい名前になった某都銀は、月末近くにもかかわらず幸い空いていて、あっという間に納付完了。支店のドアを入ってから出るまで、時間にして4分ほど。電車1本遅らせるだけの手間で納税手続き完了です。

結局「e-TAX」は、便利なのは確かで今後普及していくことは間違いないでしょうが、手順が面倒なので、頻繁に利用して手順を飲み込んでいる人以外は、かえって時間をとられてしまうような気がします。ここはやはり、電子申告利用者税額控除といった金銭的インセンティブを設けて欲しいところですね。

| | TrackBack (1)

2006.04.11

電子申告の弱点(中編)

前回のつづきです。
では実際の電子申告の使い勝手はどうなのか? ということで、以前自分でトライした結果を記録した文章があったので、再掲してみましょう。ちなみに平成16年秋の話ですので、念のため。

060411

1.結構めんどう

自分自身がまず実験台として署に申請、e-taxソフトを入手しました。「申告」の時期ではないので、「納税」手続きにトライ。申告所得税の予定納税を電子納税でおこなってみました。無事できた(と思う)のですが、結構めんどくさい。ネックになるのは、
 ・いろいろな登録番号やパスワードがごちゃごちゃになる
 ・電子署名の部分が目に見えないので最初は戸惑う
というあたり。
 
毎月のように行って慣れれば多分どうという事はないのでしょうが、一般納税者が年1回やるだけとなると、結構しんどい(確定申告書等作成コーナーを利用した方がだんぜん早くて楽)と思います。

2.申告より納税の方が需要あるのでは

会計事務所に依頼している納税者の側に立てば、電子申告のメリットは「いまのところ全くない」と私は思います。むしろ「納税」の方が納税者にとって利便性があるはず。実際、すぐに何件かの顧問先から「オンライン納税したい」という要望がありました。特に源泉税など毎月発生するものについて、いちいち金融機関の窓口に行ってられない、という潜在需要が結構あると思います。
 
3.住基カードの勘違い

そこで、顧問先に電子納税の方法をレクチャーしよう、と、まず自分で公的個人認証を取得し、トライしてみました。ところが、区役所で取得したICカードを使っても、ソフトが反応しない。おかしいなあ、と思ってサイトで調べると、「区役所から交付されたソフト云々・・・」とか書いてあります。でも私が交付されたのはカードだけ。確認のため区役所の戸籍課へTELしてわかったこと。
・住基カードと公的個人認証は別物 ・公的個人認証サービスとは、住基カードを持っている人に対して電子証明書を発行するサービスのこと
・つまり申請にあたっては
 1.住基カードの交付を受ける
 2.同時にそのカードのチップにに電子証明書を格納してもらう
  という二段階の手続きが必要
私はこの両者を混同してました。結局、私は空っぽのカードをリーダライターにセットしていたわけですね。

「そんなこと、どこに書いてあるの?」と区役所に言ったら、
「申請時に窓口で、電子証明書は使いますか、と確認しているのですが・・・」
とのこと。どうやら申請だけ近所の出張所で行ったので、出張所レベルではそのあたりの対応が徹底していなかったようです。(このへんは区によって対応が異なるかもしれません)

4.銀行が法人顧客に対応していない?

電子納税にあたっては、銀行とインターネットバンキングの契約が必要です。個人の場合、Pay-easy(ペイジー)という公共料金払込システムに対応しているのでOKなのですが、法人契約の場合、まだダメなのですね。
 
例えば、顧問先がみずほ銀行に問い合わせたところ「対応していない」と言われたそうで、せっかく電子納税をやる気になっていたその会社は、相変わらず窓口で納税をしています。(つづく)

| | TrackBack (0)

2006.04.07

電子申告の弱点(前編)

もう先月の話となってしまいましたが・・・確定申告期が終わるのを待っていたかのように、マスコミは電子申告が普及しない実態を取り上げました。

たとえば日経は3月18日の社説で「国税の電子申告・納税システム「e-TAX」の普及が遅れている。利用を促す抜本策が必要だ」として、普及しない理由を次のように述べています。

・宣伝不足
・電子証明書・専用ソフトが必要など、使い勝手の悪さ
・さらにICカードリーダーが必要(有償で納税者が用意)
・税理士にも問題がある(?)
・有力銀行の企業向けパソコン取引システムが電子納税に対応していない
・添付書類の別途郵送が必要

060407

どれももっともな理由ですが、(?)を付けた一つだけは、日経の事実誤認と思われます。

社説には、「電子申告には納税者と税理士の両方が事前登録する必要があるが、全国に約69,000人いる税理士のうち、四分の一の約18,000人しか届けを出していない(のが問題である)」とありますが、税理士が関与しない納税者は、当然ながら本人の事前登録だけでOKです。また届けを出した税理士が約18,000人しかいないとのことですが、これは税理士本人が自分の確定申告を電子申告により行うことを選択した人数のはずです。

日本税理士会連合会が17年12月15日付で内閣官房IT担当室に出した要望書によると、「日税連電子認証局は既に40,000枚以上の電子証明書を会員に発行済み」とありますから、実際には、6割近い税理士が納税者から電子申告の要望があった場合に対応する用意はできているわけです。

つまり、「多くの税理士は、税の専門家として、納税者の依頼があれば電子申告に対応可能だが、実務家として現状の電子申告システムにメリットがあると受け止めてはいないので、こと自分自身の申告については(納税者の立場として)電子申告の選択はしていない」というのが、正しい数字の読み取り方ではないでしょうか。

政府の側も、当然ながら現状がうまくないことは認識しているわけで、3月31日に「オンライン利用促進のための行動計画」についてというプランが公表されました。全196ページですが、電子申告・納税に関しては99ページ目に掲載されています。(つづく)

| | TrackBack (0)

2006.03.31

新会社法の施行日決定

今日は年度末。桜も満開。

かねてより5月施行といわれていた新会社法ですが、一昨日3月29日付で「会社法の施行期日は、平成18年5月1日とする」という政令が公布されました。

また、所得税法等の一部を改正する法律案も、3月27日に参議院を通過しています。問題の同族会社の役員給与課税も、「特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入」として原案通り可決され、中小企業に対する増税がスタートすることになります。

税理士会はじめいくつかの団体が改正案に反対の声を上げていたわけですが、伝え聞くところでは、陳情を受けた議員サイドには「増税になる当事者である中小企業自身が反対していないのではねえ・・・」という反応もあったようです。

知らなければ反対のしようもないわけですが、一部で報道はあったにせよ、マスコミのあまりの無関心さが目につきました。官僚も大マスコミも、所詮は他人事、自分達が享受している給与所得控除という恩典には不感症になっているようです。

| | TrackBack (0)

2006.03.04

証券税制を複雑にしている要因

確定申告のシーズンもあと十日あまり、そろそろ追い込みの時期となってきました。

個人の確定申告でややこしいのは、やはり証券税制ですが、このケースはどうだったかな? という時に重宝しているのが、「確定申告マニュアル2006・株の税金」(日本経済新聞社)です。

この本のまえがきに、こんな言葉があります。
「・・・むずかしい税制ならば、税理士にお願いしたいと考える方もいらっしゃるかもしれませんが、税理士の多くは証券税制の申告書の作成を嫌っているという話も聞きます。・・・税制の内容が複雑で、苦労する割に実入りが少ないからのようです。」

実入りが少ないかどうかは別として(?)、多くの税理士が嫌っているというのは、多分事実でしょう。制度が複雑で、取引の実績は個人ごとに千差万別、申告パターンは無数にあります。よくまあこんな制度を考えたなあ、と感心してしまいます。

ところで制度の複雑さに輪をかけているのが「元号と西暦」ではないかと思うのですが、いかがでしょう? 申告書や国税庁のタックスアンサー、多くの証券会社の資料は元号表記、この本やマネー雑誌の解説記事などは西暦表記となっていますので、この変換がややこしい。(私にはできない)

例えば2001年11月30日から2002年12月31日までに購入した上場株の非課税特例を使えるかな、と証券会社の顧客勘定元帳を調べると、平成12年とか平成13年とか印字されていて、頭が混乱してきます。

「元号と西暦」の頭の中での変換ミスで制度の特例の恩典を受け損なっている納税者もいらっしゃるのでは?

060304
株の税金

| | TrackBack (0)

2006.01.29

続・中小企業48万社が増税に?

「同族会社役員報酬の損金算入制限」の件、読売に続いてマスコミの反応がでました。1月26日の東京新聞社説「オーナー課税・ひずみは放置できない」。税理士会がこの改正に反対意見を表明していることへの反発です。税理士会が反対していることに「税理士の顧客が減ることを懸念しているのではないか」と邪推していますが、執筆者の品性が透けて見えますね。

反発の論拠は「個人事業者と比べて不公平」とのこと。「法人化していない個人事業主と比べて不公平なだけでなく、基本的に給与所得控除しか受けられないサラリーマンにも不満が強かった」そうですが、事実は正反対で、サラリーマンこそ実額経費以上の給与所得控除という恩恵を受けているはずです。個人事業者との不公平を叫ぶのなら、サラリーマンの給与所得控除を廃止せよ、と主張するのが筋でしょう。

起業し法人成りした事業者は、会社法や法人税法が適用される個人事業者とは別の世界へ足を踏み入れたわけですから、見かけ上の税負担の違いを取り上げて不公平を叫ぶのはナンセンスです。

この改正が問題なのは
・プロセスの無視
・歪んだ公平・公正感覚
・税理論上整合性を欠く手直し
・国民経済への悪影響
という点だと思います。

「国民経済全体の視点から、税制度に公正を欠く抜け穴があれば、政府がそれを正すのは当然」と、まるで政府の広報マンのような書き方ですが、政府が本来進めているはずの起業促進策に逆行するこの改正は、長期的・マクロ的に見れば国民経済全体に悪影響を及ぼすでしょう。

また「財務省によると改正で対象になるのは六万社程度に上る。法人全体の2%程度」とも述べていますが、6万社と48万社では数字に開きがありすぎます。マスコミなら、当局の発表を鵜呑みにせず、自らデータを収集して検証する姿勢も必要なのではないでしょうか。

| | TrackBack (0)

2006.01.26

中小企業48万社が増税に?

このブログで「サラリーマン法人潰し」として紹介してきた今回の税制改正の問題項目「同族会社役員報酬の損金算入制限」について、相変わらずマスコミ等では触れられていません。唯一1月11日の読売が紙面を割いて取り上げているくらいでしょうか。

060126

報道するマスコミの人々自身がサラリーマンなので、感覚的に理解できないのかもしれません。また、影響を受けるのが大企業なら経済団体等を通じて声を上げるところでしょうが、ターゲットとなった中小企業群が団結して声を上げるすべのない集団であることも、反対の声が盛り上がらない一因でしょう。その意味では、財務省は狡知に長けてると言っていいでしょう。

東京税理士会はこの改正案に対し次の理由から反対しています。
1.国民に改正の情報提供を行わない突然の改正であること
(国民どころか議員に対しても期限の数日前に持ち出した案件のようです)
2.起業意欲を著しく減退させること
(言わずもがな。法務省・経済産業省による起業促進策も、予算を握っている財務省のおかげでパーか)
3.オーナー社長の給与と一般サラリーマンの給与で税負担に差を設ける理由がない
(この改正案に対し、財務官僚のひがみの発想と被害者意識が見える、と感想をもらした方がいました)
4.会社は給与として社外流出しているので担税力がない
(ここは問題ですね。担税力への配慮は必要でしょう)
5.給与所得控除額相当額が法人税の課税所得を構成するという課税上の論拠がない
(論拠が無くても課税するのが国家というもの、と言った方がいました。しかしそれでいいのか?)

財務省は、全国240万社の中小法人のうち影響を受ける既存会社は約5万社と説明しているようですが、税理士会の試算によると、
・影響を受けるのは少なくとも48万社
・1社当たりの増税額は約79万円
とのこと。財務省はホクホクでしょう。

Continue reading "中小企業48万社が増税に?"

| | TrackBack (1)

2005.12.16

続・サラリーマン法人潰し

昨日、与党税調の平成18年度税制改正大綱が公表されましたが、前回のブログで触れた案件は、結局織り込まれてしまいました。(同族会社の留保金課税は廃止ではなく見直し)

ところがこの改正、定率減税・IT投資減税の廃止やたばこ税の引き上げといった話題に隠れて、マスコミではあまり騒がれていません。影響の大きさがまだ理解されていないようです。

手許に「マル政処理案」と書かれた12月13日付の自民税制調査会の資料の一部がありますが、そこには、この改正(・・・実質的な一人会社のオーナーの役員給与の一部を損金と認めない) により、個人事業者と一人会社の税負担を同一にすることが目的であることが、ある言葉とともに図解されています。

そのキーワードは「イコールフッティング」。

経済財政諮問会議のサイトに「構造改革用語集」というものがあり、「イコールフッティング equal footing =適切・平等な競争条件のこと」とあります。郵政民営化の議論の中でよく使われている言葉で、競争条件の平等化、平等な市場参入条件、公正な競争条件、二つの仕組みが同じ条件で競い合うこと、対等な立場や地位など様々な使われ方もするようですが、結局のところ小泉改革のキーワードで、反論を許さない殺し文句みたいなものです。

しかし、個人事業者と、たとえ一人会社とはいえリスクを取りビジョンとベンチャー精神を持って法人成りした起業者との間に、イコールフッティングを求めるのは、お門違いというものでしょう。どう理屈をこねられても、これは「給与所得控除を使った節税を目的とした法人成り」封じに他ならないわけですが、給与所得控除のメリットだけを目的に起業する人はいないわけで、財務省は起業ブームを見誤っていると言わざるを得ません。

政策的問題として検討するマル政案件ですから税理論的に反論を述べても無駄なのでしょうが、起業を考えていらっしゃる方々、それを応援しようとしている方々は、この改正に反対の声を挙げなければなりませんね。

p.s.
穿った見方をすると、経済産業省や法務省が起業促進策を考えるのはいいが、公務員数が削減される中、これ以上小規模な納税者が増加したら国家の徴税部門としては対応しきれないという財務省のホンネも、一部にあるのでは?

| | TrackBack (1)

2005.12.10

錯乱の税制-サラリーマン法人潰し?

情報によると、今月15日に公表される自民党税調の18年度税制改正大綱に、中小企業に大きな影響を及ぼすと思われる項目が財務省提案で盛り込まれそうになっているといいます。

・同族会社の留保金課税を廃止する
・引き換えに、同族会社の役員報酬のうち給与所得控除額を損金不算入とする

先年の「不動産譲渡所得に係る損益通算および繰越控除制度の廃止」と同じく唐突な提案(しかし盛り込まれれば実現され、影響は必至)ですが、同族会社の留保金課税の廃止は以前から要望されていた項目で、その代替財源として役員報酬に目をつけたものと思われます。11月25日の政府税調の答申『法人の設立が容易になる中で、個人形態と法人形態との税負担の差に由来する不公平は是正すべきである。』を踏まえたものでもありましょう。

この伏線かどうかわかりませんが、11月23日の日本経済新聞17面に、まるで財務省の見解を代弁するかのような次の要旨のコラムがあります。

・新会社法は一人会社を全面的に解禁するので「法人成り」が飛躍的に増加する。
・「法人成り」とは、法人段階で役員報酬を損金にし、役員側で給与所得控除を受けるという「二重の経費控除」である。
・ちまたではこの手の節税術が紹介されており、相当数の個人事業主が虎視眈々と「法人成り」を狙っている。
・こうした同族会社の役員報酬の損金算入については厳しい対応をすべきだ。

この節税術(?)は、今さら紹介されるまでもなく何十年にもわたって利用されてきた中小企業の合法的常識ですから、コラム筆者の意図の理解に苦しみます。「超」納税法の野口悠紀雄氏や「黄金の羽根」の橘玲氏はじめ各所でいろいろな方が提唱されている「サラリーマン法人」への反発でしょうか。

そもそも今回の会社法改正は、「起業促進」という側面も持っていたはずです。起業ブームに水を差すかのようなこの提案、財務省の錯乱?

| | TrackBack (0)

2005.12.09

電子申告を利用しない理由

京都でも行ってゆっくり紅葉をみたいなー、と思いつつ、仕事と宴会に明け暮れている今日この頃です。仕方なく有栖川公園のわずかな紅葉で我慢。

051208

さて、あるサイトで通信・ITSジャーナリストの神尾寿さんのコラムを読んでいて、国税庁が普及に躍起となっている電子申告制度のことが頭に浮かびました。そこで、コラムのテーマの「携帯テレビ電話」を「電子申告」に置き換えてみると・・・

(神尾さんのコラム)
<テレビ電話をかけない“もう1つの”理由>

(置き換え版)
『<電子申告を利用しない“もう1つの”理由>
 電子申告は、ただでさえ「使いづらい」ものだ。せっかく電子証明書やリーダーライターを用意しても、実際の手続きが面倒なら、納税者は失望してしまうだろう。利便性を体感できず、むしろストレスが溜まるようならば、多少の不自由を承知で、今まで通り手書きの申告書を使用し続ける方が楽だ。今の電子申告制度は、普及するどころか、国税庁と技術者の独りよがりと言われても仕方がないレベルにある。
 将来に向けて電子申告を本当に普及させたいならば、国税庁はサービスのすべてにおいて見直しを図るべきだ。はっきり言おう。今の電子申告制度は、普及戦略として失敗している。技術的にできるからではなく、納税者の視点で求められる使い勝手、税額控除のようなインセンティブの導入などサービスの在り方を再構築しなければ、いつまで経っても中途半端なままだ。
 申告手段が広がることは、本質的には素敵なことである。担当者の努力にも敬意を表する。だからこそ、「納税者に受け入れられる電子申告制度」のために、一歩を退いたところから、企画をやりなおす勇気が必要ではないだろうか。』

べつに国税庁を揶揄するつもりはないのですが、なんかピッタリしませんか?

ちなみに私個人は、昨年に電子申告の導入手続きを取り、一部実践してみました。結果は「電子納税には大きなメリットを感じるが、現時点では電子申告に必要性を見いだせない」。まさに「利便性を体感できず、むしろストレスが溜まる」という結果でした。

| | TrackBack (0)

2005.06.11

人口減少と税務相談

国税庁がこの春に出した「税務相談事務の見直しについて」というペーパーがあります。国税当局は税務相談室など局や署の窓口で納税者からの税務相談に応じていますが、実態をみると、一般納税者だけでなく税の専門家である税理士からの相談も多く、相談の本来の趣旨から外れてしまっている状況がみられるとのこと。このため今後は、納税者からの個別的な質問は署における面接談等で対応し(一般的な質問は電話相談センターに集約)、税理士からの質問には対応しないという方向になるようです。

税理士からの相談が目に余るということなのかもしれませんが(裏返すと、税理士のレベルが低下しているということ?)、その背景には「人口減少社会・超高齢化社会の到来による労働力人口の減少により、スリムで効率的な政府の実現が求められ、税務行政に携わる職員数の増加が困難である」(出典:税務行政を取り巻く環境の変化と国税庁の対応について)という切実な事情があるようです。

先日ある講演で「わが国の諸制度はすべて、人口が減少しないということを前提としている。人口が減るということは、制度の根底がひっくり返るほど深刻な大問題なのである」という話を聞きましたが、税務相談という、人口減少とは何の関係もなさそうなところにも、その影響が及んでいるわけですね。

| | TrackBack (0)

2005.05.19

不動産所得がなくなる?

財務省のメール配信サービスに登録していて、税制がらみの情報があると、たまにウェブサイトまで見に行くのですが、ちょうど先ほど来たメールに「5月17日開催の税制調査会基礎問題小委員会後の石会長記者会見の模様」というのがありましたので、さっそく目を通してみました。

この会見について、日経は18日の朝刊で「長者番付について廃止を含めて検討」としか触れていませんが(13日の総会後の会見については、14日の朝刊で「退職金課税を強化」と大きく報じています)、注目すべきは
「恐らく一番大きく今後議論しなきゃいけないというのが不動産所得。これはそもそも必要かどうかということを踏まえまして議論します。」
「不動産、一時、雑所得、この3つが存廃を含めて議論しなきゃいけない」
「そもそもの資産合算がなくなった以上は、その時作った不動産所得を残しておく理由がないんじゃないか」
という会長の発言でしょう。

税率や控除額をいじるといった小手先の調整ではなく、所得区分にまで踏み込んだ大改革に進んでいくのかどうか、今後の動きを注視していく必要がありますね。

| | TrackBack (0)