武蔵小山の書店
顧問先の税務調査の事後処理で品川区の住宅街にある税務署を訪ねた帰り、アーケードで有名な武蔵小山商店街を歩いてみました。ここは高校時代の通学路で、30年前は毎日のように通った懐かしい商店街です。
4ブロックに分かれたアーケードを端から端まで歩くのは20数年ぶり。当時と比べて変わってしまったお店もあり、たとえば学校帰りによく利用した駅近くのソーブン堂という書店がまったく別の書店になっていたりして、時の流れを感じたわけなのですが、逆に懐かしいお店が健在だったりするを見つけると、嬉しくなります。
アーケードの中原街道側にある「シグマ書房」という書店もその一つ。ここは私が高校の頃に新規にオープンしたお店だったと思うのですが、前を通りすぎながら中を覗き、雰囲気が変わっていることに気づいて、ちょっと立ち寄ってみることにしました。
店の造りは昔と変わらず、間口は小さいものの奥行きが結構あります。しかし品揃えがまったく異なっていました。雰囲気が違うのも道理、昔はふつうの街場の本屋さんだったこのお店は、古書店を兼ねた個性的な書店に変わっていたのでした。古書といっても古本がズラリというのではなく、新刊本の中に何食わぬ顔で古書が混ざっているというか、ちょっと独特の品揃えで、時間があるときにゆっくりと再訪したい書店です。
数分しか時間がなかったので、急いで書棚をざっと巡りながら、ネット書店ではどこも品切れで探していた吉村昭の「総員起シ」(文春文庫)が何気なく新品で並んでいるのを見つけ、さっそく購入。立ち寄った甲斐がありました。