花火大会
猛暑が続きますが、お盆の花火大会も終わると、少しずつ秋の気配。行く夏を惜しむかのように、蝉が鳴いています。
毎年8月になると、どうしても先の戦争がらみの小説に手を出してしまいます。今年は「永遠の0」(講談社文庫)。
タイトルの「0」とは旧日本軍の零式艦上戦闘機、いわゆるゼロ戦のことで、そのパイロットだった祖父の生き様を調べるため、孫達が生き残った元軍人達を尋ね歩くというお話し。
現代と過去が交錯するストーリーはきれいに収束し、プロローグと対をなすエピローグも効果的な余韻を残します。戦友たちの語る過去の戦場の話に重みがあるだけに、現代の主人公達の私的なエピソードがちょっと陳腐に感じられるのが難点ですが、この時期に読むにはオススメでしょう。