忍者烈伝
連休中の読書として、以前、書店の時代小説の棚で面白そうな気を放っていた忍者本を見つけ買っておいたこれを選択。
主人公は、とび加藤こと加藤段蔵と、伊賀の忍び、上野ノ左。
加藤段蔵と言えば、小池一夫・小島剛夕コンビの大傑作「半蔵の門」に登場する悪役イメージが強いのですが、本書での段蔵はもっと若い。白土三平の忍法秘話「妙活」で描かれた段蔵に近いでしょうか。(「妙活」では、本書にも登場する牛を呑むトリックが、漫画的にわかりやすく描かれています)
荒唐無稽さを排した大人の忍者の活躍を味わいながら、戦国時代の通史が復習できます。オススメ。
ちなみに続編も出ていて、こちらの主人公は、忍びというよりむしろ幻術師である果心居士と、戦国大名・松永弾正秀久。伊賀の忍びの活躍も描かれますが、信長の天下統一に至る時代背景の説明に多くの頁が費やされ、一巻目に比べると、やや動きがおとなしめ。2冊くらいに分けてもっとじっくりと書いてくれた方がよかったかもしれないですね。キャラクターがいいので、ちょっともったいない。
ともかく第三巻もいずれ出るようなので、楽しみです。
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