夕ばえ作戦
今日は日本でのiPadの予約開始日です。店頭に行列もできているようですが、ソフトバンクの3Gモデルである必要もないのでアップルストアで十分、ということで、早速予約を入れてしまいました。
このiPadの発売に関連して、電子書籍の普及と紙の書籍の行く末があちこちで話題になっています。
電子出版が広まるのはいいことでしょうし、読みやすい端末が開発されるのも大歓迎です。
ここで気になるのは、今までに発行された膨大な紙媒体のこと。毎日のように大量の新刊書が発行され、多くは再版されることもなく見捨てられてゆきます。わずか数年前の話題の書が、現在では絶版で入手不能ということもめずらしくないようです。このような過去の膨大なコンテンツは、今後どう扱われていくのでしょうか。
例えばそのような過去のコンテンツの名作の一つがこれ。
現代の中学生が江戸時代へタイプスリップし忍者と戦うという、ジュヴナイルSFの古典です。
戦う相手は、前々回のエントリーでも触れた風魔忍者。白土三平の劇画にも風魔は登場していましたが、私たちの世代にとって風魔忍者の存在が身近になったのは、何といってもこの作品のおかげでしょう。特にNHKの少年ドラマシリーズの一つとしてテレビドラマ化された作品は、今は「笑点」で座布団を配っている(主人公を演じた)山田くんの絶妙なキャラクターもあって、大人気でありました。私は当時中学生でしたが、少年ドラマシリーズの中でもこの作品はかなり人気が高かったと思います。
かつでは、鶴書房盛光社のSFベストセラーズというシリーズで街のどこの書店でも手に入ったこういう名作が、幸いこれはハルキ文庫というシリーズに取り上げられて入手可能となりましたが(ただしハルキ文庫自体が、かなり大きな書店へ行かないと置いていない)、多くは古書店を探さなくては読むことができなくなってしまいました。
電子書籍の普及が、このような過去の作品の復権に繋がって欲しいものです。