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2009.12.24

下町百貨店の超地域密着経営

送られてきた「日経トップリーダー」誌(昔の「日経ベンチャー」)をパラパラと眺めていたら、下町百貨店の超地域密着経営として、なんとあの知る人ぞ知る大森の「ダイシン百貨店」が登場しているではありませんか。

副題には「潰れかけた『レトロな百貨店』を再生」とありますが、かつてのリニューアル前の店内は「ここが百貨店ですか」というほど雑然とした雰囲気で、しかし品揃えは確かでその意味では百貨店に違いないという、そこだけ昭和な大森の異空間でありましたが、裏では再生へ向けた苦労が続いていたのですね。

このダイシン百貨店、あの「アド街」の大森特集では、これまた地元では有名な食材スーパーの「カドヤ」と仲良く第1位を分け合った地元のランドマーク。たしかに地元民は両店をうまく使い分けしています。

もう年末。両店の駐車場に入りきれない車が池上通りの両側に延々と列をなすのが暮れの風物詩ですが、ダイシンは2012年には大リニューアルを敢行とのこと。リニューアルしてもレトロな雰囲気は残して欲しいものです。

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2009.12.23

使える「Foresight手帳」

定期購読している新潮社の「フォーサイト」誌が来年の4月号を最後に休刊してしまうというお知らせが来ました。

新潮社は、休刊の理由として
・厳しい出版状況の中、全社的な事業の再編、特に雑誌部門の見直しが避けられない
・今後の収支改善の見通しが立たない
・インターネットの普及で、国際政治経済情報を扱う月刊誌の役割が大きく変化した
という三点を挙げていますが、どうでもいいような雑誌が書店の棚を埋める中、このような読み応えのある情報誌が無くなるのはわが国にとって大きな損失といえましょう。

特に残念なのが、年末に送られてくる「Foresight手帳」がもらえなくなること。

定期購読者向けにオマケで付いてくるこの「Foresight手帳」、何の変哲もないただのポケット版の手帳なのですが、自分にとっての使い勝手がとてもよろしかったので。

その使い方。

見開き二週間のウィークリー頁には、読み終わった本のタイトルを読了日に記載。後になって「あのときに自分はこんな本を読んでいたのか」と振り返ると新しい発見があったりします。(時間の無駄なので読書ノートなどは取りません)

巻末のメモ頁には、広告や書評や書店で見かけた気になる本、立ち読みして一部だけ目を通したい本、見つけたら即購入のレア本などのタイトルをメモしておきます。

ただそれだけ。

この手帳は厚さが5ミリと薄く持ち運びが容易なので、出かけるときなど名刺と一緒に内ポケットに入れておきます。書店に立ち寄ることがあったら、ポケットから取り出し片手で手帳を開いてメモを見ながら店内を廻ってお目当ての本を探す、まあ単なるメモ代わりなのですが、なぜか手にフィットして開きやすく、とても便利なのです。

来年用はすでに届いたので安心ですが、2011年版からは代用品を探さなくてはなりません。

091223

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2009.12.05

税制改革と官僚制

11月から12月にかけて連日のように政府税調が開催され、膨大な資料を基に議論が交わされているようですが、今週の日経朝刊に連載されていた経済教室のテーマは「税制再考」。昨日は東大の加藤淳子教授による税を巡る政策決定プロセスの概観でした。

そこで今回のオススメは、その加藤教授の「税制改革と官僚制」(東京大学出版会)。オアゾの丸善の棚で「書物復権・8出版社共同復刊」という帯とともに目に飛び込んできたこの本、値段が値段なので少し逡巡しましたが、本が放つ「気」には逆らえませんでした。

著者の専門は政治学なので、焦点は税制の内容そのものではなく、政治家と官僚との関係、政党内における意思決定と官僚の影響力の行使との関係についてが叙述の中心となっています。時代は1970年代の大平政権から1990年代の自社さ連立政権まで。

読み物ではなく論文に近いので一般向けとは言い難いですが、資料としてはもちろん、税制改革の視点から見た自民党政権下における現代日本の政治史として読んでも、興味深いものがあります。

091205
税制改革と官僚制

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