新訳ホームズ全集
本日2009年5月22日は、イギリスの作家アーサー・コナン・ドイルの生誕150年という記念の日。
ドイルといえばもちろんあのシャーロック・ホームズの生みの親として知られているわけですが、そのホームズ全集が光文社文庫から新訳(日暮雅通訳)として出ています。
この新訳、装丁が洒落ていたのと文字が大きくて見やすく、ちょっと読んで中身もかなりよかったので、とりあえず買い揃えてみました。しかし一気に読むのがもったいない。そこで昨年から一年がかりで少しずつ少しずつ読み続けてきて、いよいよあと短編数編で読み終えるところまできました。
ホームズ全集といえば、最初に読んだのは中学の頃、当時の定番である新潮文庫の延原謙訳の全集でしたが(ベーカー街の住所が221番乙となってるやつ)、この延原訳の全集は愛着があって、10年ほど前に「全60編完全収録 初版挿し絵600枚 索引3000項目」という謳い文句のCD-ROM版が出たときも、ついつい買ってしまいました。
読みやすさという点で新訳はかなりオススメですが、作品の時代背景を考えると延原訳も捨てがたい部分があって、例えば短編第1作の「ボヘミアの醜聞」のアイリーンの手紙の結びは
Very truly yours, Irene Norton, nee ADLER.(原文)
「めでたくかしこ アドラー家の出 アイリーン・ノートン」(延原訳)
「ではさようなら。アイリーン・ノートン(旧姓アドラー)」(日暮訳)
という具合。
作品としてはどれもオススメですが、個人的には最後の長編である「恐怖の谷」が一番気に入っています。