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2008.12.28

手帳の季節2009(後編)

ちょっと前のプレジデント誌に、季節を反映した「年収2000万の手帳術」という記事がありました。毎年どの雑誌も似たような特集を組みますが、内容も似たり寄ったりとわかっていてもつい読んでしまうわけで、その中で「金持ち社員VS貧乏社員 人気手帳ランキング」という記事があって、これが面白い。曰く

年収2000万以上の金持ち社員は、能率手帳や高橋、タナベ経営などオヤジ系手帳が大好き。(きっと本当にオヤジなのでしょう)
年収500万円台(このご時世これが貧乏社員といえるのか疑問ですが、プレジデント社的にはきっとそうなのでしょう)は、同じくどこでも売ってる能率手帳か、さもなくば会社支給か取引先からもらった手帳を使って小遣いを節約する。

年齢データがないので本当の姿はわかりませんが、能率手帳がダントツなのは妥当なところでしょう。意外なのは、一世を風靡したファイロファクスやバインデックスなどのシステム手帳派がほとんどいないことと、金持ち社員に「ほぼ日」がほとんど使われていないこと。ほぼ日手帳がビジネスユースでは認知されていない実態が窺えます。というより、オヤジと「ほぼ日」は、やっぱ合わないのかも。しかし「cousin(カズン)」というA5版の登場で、これがどう変わるか注目したいところです。

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2008.12.27

手帳の季節2009(前編)

年末なので手帳ネタです。

今年使ってみたのが、スケジュール管理用が伊東屋で見つけた「LACONICのダイアリー」、これとは別に毎日のメモ用に「レッツ」のA5版一日1ページタイプです。

一年間使った感想ですが、まずLACONIC。シンプルなデザインは好感が持てるものの、年の後半になってくるとちょっと飽きがきます。使ううちに表紙も僅かながら反り返ってきて、ちょっとだけ品質の安っぽさを感じてしまいました。また、バーチカルタイプの月の変わり目の表記に難があります。つまり週の半ばで月が変わるとき、開いたページがどっちの月かわかりにくいのです。例えば今年の12月29日からの週のページを開くと大きく「1(月)」と書かれていて、一見「あれ、今日は1月29日?」と錯覚してしまいます。

一方のレッツですが、LACONICと対照的に不思議と飽きがきません。このあたりがデザインセンスの違いというものなのでしょうか? しかしやはり洋モノ。英語オンリーの表記は日本人の私には合わないようです。

ということで来年用は別の手帳にしようと考え、やはりフランクリンプランナーが一番だということはわかっているのですが、システム手帳タイプは真ん中のリングが邪魔になるので、ここ数年の選択に倣って綴じ手帳タイプにしようと決定。そんな時、ほぼ日サイトで「ほぼ日手帳」に新しく「cousin(カズン)」という名のA5版が登場するというニュースを読み、なかなか良さそうだったのですぐに注文、入手しました。

「ほぼ日」は以前にも使ったことがあるので、紙質とか方眼とか水平に開く書きやすさはわかっていましたが、判断の決め手は、このA5版には「日々の言葉」という無駄な記載がないこと。この「言葉」とか「巻末のおまけ」は「ほぼ日」のウリの一つのようでもありますが、「どう、面白いでしょ?」という作り手側の自己満足(と言っては失礼か)が透けて見えてしまって、これらがなければもっといい手帳なのになあ、と感じていたので、A5版において思い切ってこれをカットしたのは大正解でしょう。

この「日々の言葉」、フランクリンプランナーのデイリーにも格言などが載っていますが、あちらは字も小さく無視すれば気にならない、ところが「ほぼ日」の方はかなりスペースを獲っていて、しかも中途半端に面白いので使い始める前に全部すぐ読んでしまい(これを律儀に毎日1つずつ読む人なんているのだろうか?)、いざ年が明けて使用開始後になると、邪魔物以外の何物でもなくなってしまうのです。もっとも、この「言葉」がなければ「ほぼ日」じゃない、というファンが多いのも事実でしょうから、制作者としても判断が難しかったことでしょう。手帳としての完成度はものすごく高いのだから、遊びを排した大人向けのビジネスバージョンとして別ラインを起ち上げたことは、方向性として間違ってはいないと思います。

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2008.12.20

「はやぶさ」「富士」が廃止

昨日の報道によると、「JRグループは12月19日、東京と九州を結ぶ寝台特急ブルートレインとして最後まで残っていた「はやぶさ」「富士」の廃止を正式に発表した」。

廃止予定は2009年3月13日。
いよいよその日が来たか、という感じです。これで東京駅発着のブルートレインは完全に姿を消すわけなのですが、設備の老朽化、飛行機や深夜バスへの乗客の流出、機関車が客車を牽くという列車編成の特殊性とそれに伴う運行コスト、営利企業としての採算など様々な要因から、誰もがその日が来ることを覚悟はしていたわけですが、いざ廃止決定となると、感傷に過ぎないとわかっていても、やはり残念な気持ちになります。

なぜこのタイミングで廃止なのか、ということに関して、鉄道アナリストの川島令三氏は「JR東海はいずれ機関車列車を廃止するつもりでいるから機関士の養成をしておらず、定年退職により機関士の人材不足に陥っている。『はやぶさ・富士』はJR九州の所有でリニューアルしたばかりのためまだ残っているが、いずれJR東海に機関士がいなくなれば廃止に追い込まれるはず」(全国寝台列車未来予想図)と述べていましたので、そのあたりが背景にあるのかもしれません。

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2008.12.18

オーナー課税廃止法案

17日の日経の記事より。
「民主 税制で対決・・・民主党は税制改革で政府・与党との対決姿勢を鮮明にする。」

ということで、与党と民主党の税制改革案の対決が注目です。民主党税調の会長は大蔵省OBで元蔵相の藤井裕久氏なので、現実性のある改正案が提示されると予想されますが、民主党は先だつ15日に法人税法の一部改正案および租税特別措置法の一部改正案の2法案を参議院に提出しています。

改正点は次の4点。
・外国子会社からの受取配当の益金不算入
・特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入制度の廃止
・欠損金の繰戻し還付の今年度からの復活
・中小企業に係る法人税率の半減

中小企業に対する軽減税率の引き下げは
 与党案 22%から18%へ、21年4月から2年間の時限的引下げ
 民主案 22%から11%へ、21年2月から2年2ヶ月間の時限的引下げ
と大幅に異なっています。

ポイントは何といっても悪名高き「法人税法35条 特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入制度(オーナー課税)」の廃止を昨年に引き続いて提案している点で、全国の中小企業経営者をはじめ以前からこの廃止を主張している税理士会や法人会、商工会議所は、この部分だけに限って言えば民主党を支持すべきとなるわけですが、一般国民にはなじみがない論点なのでマスコミ報道もなされず目立った議論も行われないでしょうから、与党側としては恐るるに足らずかもしれません。(日経などは官僚と組んでこの税制の導入のバックアップをしたフシもありますし)

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2008.12.15

南部坂雪の別れ

12月といえば忠臣蔵。

先日ある会合で、ゲストとして来ていただいた講談師・神田京子さんの講談を目の前で聴く機会がありました。演目は「南部坂雪の別れ」。

こういう話芸というやつは、やはりナマで聴くと違います。いわゆる言霊というのでしょうか、語り手の口から発せられる空気の振動に、目に見えない何か魂のようなものが乗っかって、その場に居合わせた聴衆の心を揺さぶるわけですね。演説巧者といわれるオバマ氏なんかにも、きっと同じようなことがあるのかもしれません。

ともかく、12月の夜にふさわしい一席でした。

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2008.12.14

与党の平成21年度税制改正大綱

12日に、与党の平成21年度税制改正大綱が公表されました。景気の下降局面の長期化・深刻化という背景のもと、今までの税制改正の流れに逆行する部分も見受けられる内容ですが、ここはやむを得ないところなのでしょう。基本的考え方として、「内需刺激のための大胆かつ柔軟な減税措置」ということで5つのポイントが列挙されています。

1.やはりまずは国内の住宅投資でしょう、ということで、住宅ローン減税と土地の譲渡益課税に手当て。
2.やはりわが国の自慢は自動車でしょう、ということで、自動車の買換・購入需要の促進策。
3.やはり日本は工業力でしょう、ということで、企業の設備投資と海外利益の還流策。
4.やはり支えているのは中小企業でしょう、ということで、税率引き下げ・繰戻し還付・事業承継。
5.やはり何だかんだ言っても金融市場も大事でしょう、ということで、現状の維持・拡大。

中小企業税制。
軽減税率の引き下げは、21年4月以降終了事業年度から(つまり4月決算法人から)。
欠損金の繰戻し還付復活は、既報の通り21年2月以降終了事業年度から(つまり2月決算法人から)。
悪評高い「特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入制度」については、「その適用状況を引き続き注視する」とのこと。注視なんかしてないで直ちに中止して下さい!

5000円の電子申告税額控除。
2年間延長。結局まだ思惑通りの普及率に至りそうにないのでしょう。延長は朗報ですが、一人1回きりなんて言ってると、昨年この控除を受けた人は、また紙の申告に戻っちゃうよ?

介護医療保険料控除。
生命保険料控除を改組し、介護医療保険料控除として分離させ「一般生命保険・個人年金保険・介護医療保険」の3本建てとし、控除限度を4万円に引き下げてトータルでは12万円に。これって事務の手間が面倒じゃないですか、と思ってよく読むと、平成24年分の所得税から適用とのこと。なんか保険会社や年末調整を行う企業の手間を増やすだけのような気もしますが。

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2008.12.13

武蔵小山の書店

顧問先の税務調査の事後処理で品川区の住宅街にある税務署を訪ねた帰り、アーケードで有名な武蔵小山商店街を歩いてみました。ここは高校時代の通学路で、30年前は毎日のように通った懐かしい商店街です。

4ブロックに分かれたアーケードを端から端まで歩くのは20数年ぶり。当時と比べて変わってしまったお店もあり、たとえば学校帰りによく利用した駅近くのソーブン堂という書店がまったく別の書店になっていたりして、時の流れを感じたわけなのですが、逆に懐かしいお店が健在だったりするを見つけると、嬉しくなります。

アーケードの中原街道側にある「シグマ書房」という書店もその一つ。ここは私が高校の頃に新規にオープンしたお店だったと思うのですが、前を通りすぎながら中を覗き、雰囲気が変わっていることに気づいて、ちょっと立ち寄ってみることにしました。

店の造りは昔と変わらず、間口は小さいものの奥行きが結構あります。しかし品揃えがまったく異なっていました。雰囲気が違うのも道理、昔はふつうの街場の本屋さんだったこのお店は、古書店を兼ねた個性的な書店に変わっていたのでした。古書といっても古本がズラリというのではなく、新刊本の中に何食わぬ顔で古書が混ざっているというか、ちょっと独特の品揃えで、時間があるときにゆっくりと再訪したい書店です。

数分しか時間がなかったので、急いで書棚をざっと巡りながら、ネット書店ではどこも品切れで探していた吉村昭の「総員起シ」(文春文庫)が何気なく新品で並んでいるのを見つけ、さっそく購入。立ち寄った甲斐がありました。

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2008.12.12

内幸町の書店

2ヶ月ほど前、所用で霞ヶ関の弁護士会館まで行くことがあり、その威容と活気に、大崎にある日税連のビルなんかとは大分違うなあと恐れ入ったのですが、その帰り、久々に内幸町の日本プレスセンターの1階にある書店へ立ち寄ってみました。学生の頃よく利用していた日比谷図書館を懐かしく眺めながらその真向かいのビルへ入っていくと、書店は健在だったものの売り場の雰囲気が変わっています。ここにはたしか丸善が入っていたはずと思っていたら、いつの間にかジュンク堂に変わっていたのでした。

夕方の4時頃でしたが、そのときは客があまり見あたらず閑散としています。しかし、ざっと眺めたところ、ビジネス書を中心に品揃えは充実している模様。そんな売り場の片隅に放送大学のテキストがズラッと並んだ書棚があり、その中の「現代の会計」というテキストがいきなり目に飛び込んできました。

このように本の方から訴えてくる時は直ちに手に取って読むべし、というのが経験的にわかっているので、さっそくパラパラと眺めると、「変わる社会、変わる会計」の石川教授が講師のようです。興味がわいたのでとりあえず購入、オフィスに戻ってから放送大学のスケジュールを調べると、まさに秋の講座が開始するタイミングではないですか。

ということで、毎週月曜の午後、来客と重なってしまったときを除いて、石川先生の講義を聴きながら変容する現代の会計について教養を深めているこの秋なのです。

さてこの本というよりこの講座、特徴は、会計学なのに「仕訳」がほとんど登場しないこと(そのかわり行列式とかΣとかがでてきます)。財務諸表のひな形さえありません。まえがきによると
「本書は『会計=ビジネスのスキル』といったところに力点をおいてはいない。大きく変容する現代の会計を、歴史・理論・社会という3つの軸をとおしてトータルに理解する『教養としての会計学』を目指している。」
とあります。巷に溢れる数多いビジネス会計本に飽き飽きしている人向けの、ひと味違った会計本としてオススメです。ただし学部レベルの会計学は踏まえておくことが前提です。

081212
現代の会計

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2008.12.06

繰り戻し還付復活

昨日の日経夕刊一面は、「海外子会社からの配当を非課税に」という自民党税調の方針のニュース。先の政府税調の答申にもありましたね。

その隣には、「金融所得一体課税の導入を一年先送り」というニュース。

今日の日経朝刊一面には、中小企業支援策として「欠損金の繰り戻し還付」と「軽減税率の税率引き下げ」というニュース。長らく停止されていた「繰り戻し還付」の復活は、諸団体からの税制改正要望事項に常に含まれていた項目ですが、やっと実現、というより、この経済状況ではやむを得ないでしょう。「2009年2月以降に決算期を迎える企業を対象」とのことですが、その変則ぶりにも、緊急事態の様相が表れているようです。

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