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2008.11.30

長谷川町子美術館

先日、天気がよかったので砧公園まで行ってみることにしました。大井町線を上野毛で降り「アンクルサムズ・サンドウィッチ」でテイクアウトでランチを調達、すぐそばの環8バス停から砧公園まではバスで数分です(本数が少ないのが難ですが)。

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寝転がってサンドウィッチを食べてのんびりと過ごした後は、またバスで桜新町まで移動し、長谷川町子美術館へ行ってみました。着いてびっくり入館待ちの長蛇の列、何でもサザエさんのアニメ第1回の放送をビデオ上映中とかで、それがお目当ての家族連れで賑わっているようでした。30分ほど並んでからやっと入館。こぢんまりとした落ち着いた感じの美術館です。サザエさんコーナーには、あの磯野家の間取りの模型があって、これが眺めていて飽きません。せっかくだからと上映中のビデオも鑑賞していくことにしました。

テレビアニメの第1回が放送されたのは約40年前。30分三本立てという構成やテーマソングは変わっていませんが、キャラクターの絵柄は異なりストーリーもドタバタ調で、小学生の頃に観ていたはずの私にとっても新鮮でした。その中の一話に押し売りとの攻防ネタがあったのですが、今どきの子供たちはもちろん押し売りなど知らないようで、あちこちから「ねえ、あれって泥棒?」などと親に尋ねる声が聞こえてきます。エンディングで会場がざわめいたのはカツオくんの声が大山のぶ代と表示されたときでした。

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名作マンガの間取り

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2008.11.29

政府税調の薄い答申

政府税制調査会の「平成21年度の税制改正に関する答申」が出たので早速目を通してみました。

「えっ、どうしちゃったの?」というくらい薄っぺらくて、 本文はわずか8ページ、文字にして約5800字。名前を連ねている委員が38名いるので、単純に頭数で割ると一人当たり約150字程度で、その量がどのくらいかというと、このブログの文頭から「ここ」までが約160字くらいだから、まあそんな感じです。

本文の中には、能書きのような現状分析や昨年の答申の引用も含まれているので、実質的内容はほとんどなく、これが答申といえるのかは疑問のあるところですが、具体的に述べているのは次の3点のようです。
1.相続税 国民の理解を得ながら議論を深めよう!
2.国際課税 企業の海外での利益を国内に環流させよう!
3.固定資産税 ほぼ今のままでOKだね!

日経なんか今朝の5面で小さく取り上げているだけでした。(ちなみに昨年なんかは朝刊1面トップでしたのに)

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2008.11.27

相続税の改正、先送りか

年末も近づき、税制改正の動向が気になる時期ですが、関連する記事が二つ。

まず読売。例によって主語が曖昧な日本語です。

「政府税制調査会が28日に麻生首相に提出する2009年度税制改正答申の全容が明らかになった。
焦点だった消費税の税率引き上げについては具体的な言及を避け、政府が年末までに策定する税制抜本改革の「中期プログラム」で、改革の「基本骨格」として「消費税を含む抜本改革を速やかに開始し、時々の経済状況をにらみつつ、2010年代半ばまでに段階的に実行する」との方針を盛り込む考えを示すにとどめた。
そのうえで、「抜本改革の実施時期を明らかにしたプログラムとすることを強く求めたい」と提言した。
答申は、「昨年の答申に示した各税目の改革の考え方は揺るぎなく堅持すべきと考える」と指摘。このほか、相続税の課税方式を見直すべきとの考えや、海外子会社の利益を日本国内に還流しやすくする国際課税を創設する方針なども示した。」

以上は政府税調の話。なるほど、海外子会社からの配当課税がどうなるかは注目点の一つでしたが、相続税の見直しもこの分では予定通りやるのかな、と思っていたら、日経の夕刊一面から『相続税の抜本改革 先送り』の見出しが目に飛び込んできました。こちらは自民税調の話です。

で、その日経。

「自民党税制調査会は27日、2009年度税制改正の焦点だった相続税の抜本改革を先送りする方針を固めた。景気後退局面を迎えるなかで、最高税率の引き上げや課税対象の拡大、課税方式の変更は困難と判断した。来月中旬にまとめる09年度税制改正大綱にこの方針を盛り込む。
同日午前の党税調正副会長・顧問らの会合は先送り論が続出。税調幹部は会合後、「デメリットが多過ぎる。とても来年度税制改正で結論が出そうにない」と語った。」

要は、財務省は、格差問題への対処(と税収確保)のため資産の再配分を進めるべく、相続税の仕組み全体の見直しと最高税率の引き上げを目論んでおり、多分すでに法案まで仕上がりつつあったと思われますが、このとんでもない経済状況の中、政治的には「デメリットが多過ぎる!」ということで先送りになりそうだ、ということですね。

デメリットといっても、亡くなる人の95%は相続税に無縁なわけですから、消費税の議論と違って、人数的にも99%以上の国民には相続税の改正など無関係の話。やはり「増税」という言葉が景気に与える心理的影響が大きすぎるのでしょうか。

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2008.11.17

うーん、定額給付金

うーん、定額給付金、どうなんでしょうね。

一応ちゃんと納税はしているので、その一部が戻ってくると考えれば、もらえるものはもらいたい。しかしその経済効果を考えれば意味があるのかどうか。自民党の選挙対策としても、逆効果のような気もするし。

所得制限という話も出ていましたが、フローとしての所得は低くてもストックとしての多額の貯蓄がある高齢者層も大勢いらっしゃるでしょうし、いっときの所得だけで判定するのも腑に落ちない話です。めんどくさい作業を押しつけられた形の自治体の担当者も大変でしょう。

もし給付金をもらえたら、またカワハギでも喰いに来よう、と友人と語り合った酒場の夜でした。

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2008.11.10

リビングストン発見記

ふだんなら読むような類の本ではないのに、ひょんな気紛れから読み始めて、つい一気に読んでしまいました。「緑の魔界の探検者」(H・M・スタンリー)。

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緑の魔界の探検者―リビングストン発見記

小学館の地球人ライブラリーという、歴史ものノンフィクションものを子供向け(高校生以上向け?)に抄訳したシリーズの1冊です。主人公はアメリカの新聞記者スタンリー。彼がアフリカ東海岸のザンジバルからタンガニーカ湖まで、当時まだ未開のアフリカ大陸に分け入っていく苦難の物語。その目的は、中央アフリカの奥地で消息を絶った著名な探検家リビングストン博士を探すため。そう、世界史の教科書でも有名なリビングストンとスタンリーの劇的な出会いのお話です。

ボリューム的にかなり端折った翻訳のようですが、苦難の旅の様子は十分伝わります。とはいっても、スタンリーは博士に出会ったときに備えて祝杯用のシャンパンのボトルとそれ用の銀のグラスまでわざわざ用意して行ったような旅ですから、悲壮感などは感じません。

そしてこれは全くの偶然なのですが、彼らが出会った1871年11月10日のシーンを含めて読了したのが昨夜遅くの日付が変わった夜中すなわち今日。そしてその時気づいたのが「ちょうど137年前の今日、リビングストンとスタンリーは出会ったのか!」。

Google Earth でタンガニーカ湖畔の二人が出会ったウジジという町を眺めると、21世紀の今日では住宅が整然と建ち並ぶ開けた地域のようです。リビングストンやスタンリーのキャラバン隊が数ヶ月歩いてようやく到達した道のりを、はるか離れた極東の地のデスクに置かれたモニター上で一瞬のうちに辿ることのできる現代。100年以上の時の流れといいますか、文明の発達のものすごい速度に、ため息が出てしまいます。

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2008.11.09

松本清張の「遭難」

久々に読んだ松本清張の本。
読もうと思いつつ機会がなかった作品を、30年越しにやっと読むことができました。

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遭難 双葉文庫

高校生の頃、山登りをする班(今でいうクラブ活動)に入っていた私は、登山関係の本を学校の図書室で借りては読みふけったりしていたのですが、まだアウトドア雑誌「BE-PAL」も創刊されていない当時、山の入門書などもあまりなく、学校にあったのが、たしか横山厚夫著「登山読本」という定番的入門書と、地形図の読み方の本、山の気象の本のわずか3種類程度でした。

そのうちの、たしか記憶では横山厚夫氏の本だったと思うのですが(もしかしたら違う本かもしれませんが)、その本の中に地図の読み方や重要性について述べた項目があって、そこで「地形図は計画したルートの隣接部分までもちゃんと用意して持っていかなければなりません。それを怠ったケースをトリックとして使った松本清張の「遭難」という有名な小説があって云々・・・」などという感じで本作が紹介されていたのでした。

その当時、松本清張の長編は結構読んでいたのですが、この「遭難」という短編はどの本に載っているかがわからず、読みたいと思いながらずっと気になり続けてたのでした。後になって「黒い画集」という短編集に掲載されていることはわかったものの、結局読む機会がないまま今に至ったわけですが、先日、書店の文庫コーナーの平積みされた山の中から「松本清張・遭難」という表紙の大きな文字がバーンと目に飛び込んできて、思わず手に取ってしまったのでした。

あらすじは知っていたものの、さすが松本清張、読ませます。「夜行列車を待つ登山姿の乗客が、ホームから地下道の階段、通路に二列になって長くすわりこんでいる。」という新宿駅の光景など、夏合宿に行く夜行列車に乗るため夕方に新宿駅に集合し6時間以上も並んだ自分の高校時代を懐かしく思い出してしまいました。メンバーの一人が夜行明けの急な登りでバテていくところや、稜線上の縦走シーンもリアルです。小道具である地図の使い方もさりげない。犯人の仕掛けるトリックというか意図自体には、「点と線」の東京駅13番線ホームのシーンと同様「もしうまくいかなかったらどうするのよ」という弱さがありますが、そこを一気に読ませてしまうのが、松本清張なのですね。

とにかく、30年間のもやもやが解消され、ちょっとすっきりしました。

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2008.11.06

マイケル・クライトン

ニュースを見ていたら、アメリカの作家マイケル・クライトンが亡くなったとの報。まだ66歳とのことですが、若すぎますね、残念です。

ベストセラー作家で、新作が出るたびに話題になったりしたわけですが、全部読んだわけではありません。最初は、30年ほど前、創刊されたばかりのハヤカワミステリ文庫に入った「緊急の場合は」とSF「アンドロメダ病原体」を読み、あとは映画化される直前に「ジュラシックパーク」も読んだのかな。ユル・ブリンナーが怖かった映画「ウエストワールド」(クライトンが監督)なんていうのもありましたね。

他にもたぶん何作か、いや間違いなくもっと読んだかもしれませんが、この人の作品は、読んでいる時はたいへん面白いのですが、後に残らないといいますか、時間が経つと意外に内容を忘れちゃうんです。それがエンターテインメント作家としての良さなのかもしれませんが、同時期に読んだものでは、医療サスペンスならロビン・クック「コーマ」、病原体SFなら小松左京「復活の日」の方が印象に残っています。というか小松左京なら再読に耐えるんですよね。

「ジュラシックパーク」は確かに面白かったのでオススメ。

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緊急の場合は


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アンドロメダ病原体


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復活の日

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2008.11.05

オバマ氏が米国大統領に

ニュースを見ていたら
「米メディアによると、4日投票が行われた2008年の米大統領選挙は、民主党候補のオバマ上院議員(47)が共和党候補のマケイン上院議員(72)に勝利し、米国初の黒人大統領が誕生した。オバマ氏は来年1月20日に第44代大統領に就任する。[ワシントン 4日 ロイター] 」。

なりほど、そういう結果になりましたか。
彼は私よりも年下なんですね。こういうニュースを見ると、自分も歳をとったなあと感じてしまうのですが、翻ってわが国のリーダーたちを眺めれば、麻生首相68歳、小沢代表66歳で、日本にいる限り自分もまだまだ若造の部類だなあ、と安心したりもするのですが、あれ、麻生さんよりも小沢さんの方が若かったんですね!(片やマンガ抱えて秋葉原やホテルのバーをうろうろ、片や病院通い、というイメージがあったもので・・・)

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2008.11.01

横田空域の削減

今日から11月。めっきり涼しくなりましたが、最近やけにこのあたり(東京都南部)の上空を飛ぶ飛行機が増えたなあ、秋になって北風の日が増えたせいかなあ、などと漠然と思っていたのですが、やはり調べてみるものです、その理由が、なんと外務省のサイトにありました。この秋から、飛行ルートが確かに変わっていたのです。

<横田空域の削減に伴う羽田空港出発経路の設定について>
1.在日米軍が進入管制業務を行っている横田空域に関し、平成18年5月の「再編実施のための日米のロードマップ」を踏まえ、同年10月に同空域の削減の範囲を特定したところ、右に伴い、今般、羽田空港から西方面へ出発する航空機の飛行経路を改編することとなった。
2.新たな飛行経路の運用は、本年9月25日(木曜日)から開始する。
3.なお、新たな飛行経路により、飛行時間が短縮され、これにより、燃料の節約とCO2排出の抑制効果等が期待される。
(このプレスリリースの「資料1」のPDFに、具体的な飛行ルートの地図が載っています)

日米地位協定(日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第6条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定・・・日米安全保障条約の目的達成のために我が国に駐留する米軍との円滑な行動を確保するため、米軍による我が国における施設・区域の使用と我が国における米軍の地位について規定したもの)が、こんな身近なところにも関連していたのですね。

<参考>
横田空域の削減

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この図は国土交通省の羽田空港離発着定期便の飛行コース公開システムで見た、あるお昼時の航跡図。赤が出発便、青が到着便です。何便かが離陸後に大きく旋回して都内南部を横切って西へ向かっているのがわかります。

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