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2008.10.25

新装刊したビジネスアスキー

伝統あるマイコン雑誌「月刊アスキー」がリニューアルして、ビジネス誌「ASCii」として新装なったのが約2年前。当初は結構充実した誌面が続いていたのですが、一年過ぎて息切れしてきたのか、最近はインパクトのある記事がないなあと思っていたところ、やっぱりという感じで、先月発行の11月号から「月刊ビジネスアスキー」として誌名も新たにリニューアル新装刊となりました。

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「日経ビジネスアソシエ」をライバルに、ターゲットを30代から40代のビジネスマンに絞った誌面作りを狙っているようですが、先月号を読んだ限りにおいては、どうもピンときません。そして昨日、新装2号目の12月号が書店に並んでいたので、早速読んでみたのですが、あまり変わり映えしませんでした。何よりも誌面から「気」が感じられません。

毎度のマインドマップ教室に、資産運用の話やマンション選びの記事があったかと思えば、佐藤優氏の国際情勢の解説それも本人の執筆ではなくライターによる聞き書き。取って付けたようなレストラン案内に、「週末は腕をふるおう」と題した料理記事まであります。「時間に余裕のある週末は、ゆったりとした気分でディナーなるものを楽しみたい。」といわれても、『BRIO』ならともかく、週末に自分でゆっくりと伊勢エビを料理するような男は、そもそも本誌など読まないと思うのですが。

また、巻頭の特集に勝間女史、巻末連載には茂木先生と、旬の売れっ子を並べていますが、名前に頼りすぎ。特に仕事術特集の勝間インタビューは、ご本人の特大サイズの写真を何枚も並べるばかりで中身はスカスカ。そもそも、いかに人気者の勝間氏であっても、男性読者は、彼女のプライベートな私生活になど興味はないでしょう。(ちなみに、この夏に某大学であった会計関係のパネルディスカッションを聴きに行ったのですが、第一部の基調講演に勝間氏が登場、会場には若い女性の姿がいっぱいでした。彼女らの多くは勝間氏目当てだったようで、第一部の終了とともにその多くが会場を去っていき、あらためて勝間人気を思い知らされました。内容としては、メインである第二部の会計士協会会長や木村剛氏ほかのパネル討論会の方が面白かったのですが。)

本紙記事の中の質疑応答で勝間氏は「フレームワークのない会話でダラダラと話を続けられると、結局この人は何を言いたいんだろうって思っちゃいます」と答えていますが、もし彼女が読者の立場で本誌を読めば「フレームワークのない誌面でダラダラと活字を続けられると、結局この本は何を言いたいんだろうって思っちゃいます」とでも答えるのではないでしょうか。

以上、リニューアルしたばかりの雑誌に対して申し訳ないと思いつつも、私が高校生の頃から続いている伝統誌の断末魔を見るようで、ちょっと残念な気持ちになり、やや厳しい感想になってしまいました。

でもやっぱりこの雑誌、あと一年はもたないのではないかなあ。

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2008.10.23

超税金対策

秋も深まってくると、個人事業者にとっての年度末までもあとわずか。節税対策には、年内に行わなければ間に合わないものもありますので、来年の確定申告での納税が心配で、という方々は、そろそろ準備の時期です。

というわけで、最近は探偵ガリレオでお馴染みの東野圭吾の短編をご紹介。

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超・殺人事件―推理作家の苦悩

ガリレオシリーズは、ドラマ化され今年は映画にまでなって大人気のようですが(残念ながら私はどちらも観るヒマなどなく)、鑑賞した人の話では、なかなか良くできた作品とのこと。曰く、演じる福山雅治のキャラクターがピッタリということとパートナー役を柴咲コウにしたことが成功しているらしいのですが、この本はガリレオシリーズではなく、タイトルに「超」がつく作品を集めた短編集です。

各作品は独立した話ではあるものの、ミステリ作家の内幕をネタに叙述トリックを多用した連作パロディ集といった趣きで、今回のオススメは巻頭の「超税金対策殺人事件」。なぜここで取り上げるかは、読んでみればすぐおわかりいただけるはず。

原稿料は入ったものの、経費がなくて、これじゃ税金いっぱい取られちゃうよーと悩んでいるフリーランサーなどは必読。というよりも、きっと業界ではこの程度の知識は常識になっているかもしれませんね。

減価償却にまで触れられていて、初めて確定申告をする人に必要経費というもののイメージをつかんでもらうための補助教材として、オススメでしょう。

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2008.10.21

南山手スタイル

書店で平積みになっていて、パラパラと手に取ったら、行ったことのある店や行ってみたい店が載っていたので、つい読んでしまいました。

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南山手スタイル(エイムック1473)

発行しているのは、バイクとかバス釣りとかの趣味や暮らし関係の雑誌やムックを出しているエイ出版社というところで、湘南とか田園都市とかを冠した「なんとかスタイル」というライフスタイル雑誌もたくさん出しています。

表紙にもある「恵比寿・白金台・目黒・品川・五反田・大崎」という地名は、子供の頃から東京南部が生活圏内だった自分などからすれば、どれもお馴染みの名前。読んでみると、明治通りの渋谷橋から古川橋を結んだラインと山手線で囲まれた港区から品川区にかけてのエリアを「南山手」と称して一括りにし、飲食店を中心にお洒落な生活空間として提示というか紹介をしているわけですが、なるほど、そういう括りは新しい視点かも、と感心しつつも、五反田とか大崎とかを昔から知る身としては、どこかに違和感も覚えます。

なぜだろう、と読み進んでわかったのは、巻末にある東五反田再開発プロジェクトの紹介記事に至ってから。つまり、五反田・大崎間の目黒川沿いの再開発エリアのイメージアップのため、半ば強引に恵比寿とか白金台を仲間に引き込んで、南山手と称して売り出すためのキャンペーンなのではないかしら。

何だか、書店でお金を出してマンションのパンフレットを買わされてしまったような気がしてきたなあ、と思いながら表紙を眺めれば、やはりどうみてもマンションのパンフレットのイメージ写真ですね、これは。

だから、もしかしたら編集もやっつけ仕事なのでしょうか、巻頭の著名人による「南山手宣言します」という目玉記事(たぶん)があるのですが、そのまた筆頭の「松山猛が南山手を巡る」という記事で、目黒川を神田川と誤記するという初歩的かつ決定的ミスを平気で犯しています。また、目黒の自然教育園と紹介されている写真が載っていますが、これって広尾の有栖川公園では?

これでは情報誌としての信頼度に疑問符がつくし、そもそも目黒川と神田川の区別が付かない雑誌に「南山手スタイル」なんて提案されても、何だかなあ、という一冊でしたが、美味しそうなお店がいろいろ載っているので、立ち読み用としてはオススメです。

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2008.10.17

中華でワイン

機会があってホテルのレストランで食事。行ってみたかったコンラッド東京の「チャイナブルー」です。

雰囲気十分のホテルの廊下から店入口のお洒落なエントランスを進んでいくと、受付カウンターがあります。その後ろがガラス張りになっていて奥の厨房がチラッと見えるのですが、そのガラス際に点心用と思われる蒸籠が山積みになっているのが目に入ってきました。ちょっと街場の中華屋さんのカウンター越しの風景を思わせますが、欧米人には異国情緒たっぷりの光景と映るのかもしれません。

コンラッドは、客室もその位置によってビューが新橋駅側のシティルームと浜離宮側のガーデンルームに分かれるのですが、28階のここはガーデン側すなわちベイサイド、東京湾の夜景が一望です。

中華料理なので紹興酒をいきたいところですが、壁一面のワインセラーを見てしまったら、やはりワインになります。せっかくですから料理に合ったワインが何種類かセットになっているコースをいただきました。グルメライターではないので、メモを取ったり料理を撮ったりはせず、ただひたすら飲んで食べて、満足のいくディナーでありました。ちなみにその日の魚料理は、以前勉強したマゼランアイナメでした。

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2008.10.16

探査機かぐや最新報告

時間の無駄のような気がするのでテレビはあまり視ないのですが、夜、一杯やりながらついダラダラ視てしまうこともあります。

それにしても民放の番組の面白くないこと! 特にお笑いタレントの方々をメインにしたトークとかゲームとかクイズとかのバラエティ番組。(例外として「タモリ倶楽部」は好きです) 制作者が、本当に自分で面白いと思ってその番組を作っているのか疑問に感じるほどですが、視聴者の好みもあるので、もしかしたら実際にそのような番組が国民から望まれているのかもしれないよねと思いつつも、たしか先日、夜の番組の視聴率ではNHKの一人勝ちという報道があって、若年層のテレビ離れが加速している中で、残った中高年が必然的に(やむを得ず?)NHKに流れている、という分析があったなあ、といいながら、年齢ではその中高年に分類されるであろう私も、ついNHKにチャンネルを合わせてしまったのでした。

ということで、再放送でしたが「NHKスペシャル 月と地球46億年の物語~探査機かぐや最新報告~」を深夜にもかかわらず最後まで視てしまいました。

やはり、こうした科学技術系ドキュメンタリーを作らせたら日本ではNHKが一番で、もちろん受信料を払っているのですからいい番組を作ってもらわなくては困るのですが、それにしても民放とのレベルの差にちょっと驚いた昨夜でありました。

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2008.10.10

懐かしい銀行名たち

古い本を整理していたら、銀行業界についての解説本が出てきて、その見返しの部分に銀行資金量ランキング(1991年3月末時点)なんてものが載っていました。特にトップ20には懐かしい名前が並んでいます。当時の資金量一位は、たいしんみつい(これも懐かしい!)だったのですね。

今も同じ名前で出ているのは、信託系の住友信託銀行と地銀の横浜銀行のみ。激動の再編劇の渦中にいた行員の方々は、さぞ大変だったことでしょう。

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2008.10.09

変わる社会、変わる会計

今回の金融危機に関して、7日の日経に「現在価値革命の暴走と挫折」というコラムが載っており、興味深く読みました。

「投資銀行が担った金融文化の特徴は、あらゆる資産を市場取引の対象とするために、価格を時価で評価する会計思想である。」

なるほど金融問題が会計と密接に結びついているわけですね。米の金融安定化法案は時価会計の凍結を盛り込んでいるようですが、この凍結の話は以前からあって、例えば米国追従路線のわが国でも、2003年にその議論が話題になりました。その経緯は、例えば「変わる社会、変わる会計」(石川純治)をご参照。

時価会計の見直し議論では「時価の算定方法はどうなのよ」という問題と「そもそも時価会計というフレーム自体どうなのよ」という問題があるわけですが、今回は時価として選択した「現在価値」という手法が暴走を起こした、という見方もできるわけですね。

石川教授は本書で、時価会計の見直し議論を突き詰めると、「会計とは何か」「そもそも会計は何のために」という基本問題にかかわってくる、と述べています。そして、そのための視点として「会計ルールとは、資本市場のインフラにかかわるルール(会計規制)」VS「会計ルールとは、経済政策の道具」という対立構図を提示しています。

本書流に言えば、今回の金融危機は「会計とは何か、何のためにあるか、それをあらためて考える格好の生きた教材である」となりましょう。

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変わる社会、変わる会計

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2008.10.04

今日は投資の日

昨日の日経平均株価終値は1万938円14銭で、3年4カ月ぶりに1万1000円の大台を割り込みましたが、今朝の日経を読んでいたら4面の片隅に「マネー、株離れ加速」とだけで、なぜか意外と小さな扱いです。

金融混乱状態の今、誰もが予測していたことでそれほどニュースバリューはないのだろう、と思いながら紙面をめくっていったら、中ほどに6ページにわたって広告特集・・・「はじめてみませんか『証券投資』」

そうです、今日10月4日は「証券投資の日」だったのです。

しかし、今この状況の下で「はじめてみませんか」と言われても・・・

キャンペーンを実施している証券知識普及プロジェクトにたずさわる方々、きっと頭を痛めていることでしょう。

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2008.10.02

バジルソースのパスタ

秋といえば食欲のシーズン、ということで、美味しかった話を。

外食時によく行くのはイタリアンが多くなります。リストランテであってもフレンチほど緊張しなくてもよく、ワインも気軽に楽しめるところがいいですね。事務所の近所に「クチーナ パードレ」というこぢんまりとしていますがとても美味しいイタリアンがあり、ちょくちょく利用させていただいているのですが、たまにはお洒落な港区もいいでしょう、ということで先日は、広尾のリストランテ「nobilduca(ノビルデューカ)」へ。久しぶり二回目の訪問です。

さて、そこで食したパスタが美味でした。お店のスタッフのオススメだったリングイネのバジルソース、いわゆるジェノベーゼです。パスタは好きで自分でもよく作るのですが、バジルソースは家でやろうとするとフードプロセッサーを使ったりと面倒なので、なかなか出来ません。

前菜が済んだころ、テーブルの脇に小さなすり鉢とバジルの葉や松の実など食材が入った小皿が並んだと思ったら、シェフがその場でそれを順番にすり潰してバジルペーストを作ってくれます。あたりに香りが漂いだしたところへ茹で上がったパスタが運ばれ、茹で汁を加えながら手早くあえて出来上がり。美味い。お皿に余ったソースはパンですくって残さずいただきます。比べては失礼でしょうが、市販の瓶詰めのソースを使って家で食べるのとは、やはり大違いでした。

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