« December 2007 | Main | February 2008 »

2008.01.28

中小企業会計指針の公開草案

先日、中小企業の会計に関する指針作成検討委員会から、同指針についての平成20年改正に係る公開草案が公表されました。

今回の改正案は、企業会計基準委員会公表の企業会計基準第9号「棚卸資産の評価に関する会計基準」と第13号「リース取引に関する会計基準」に対応した会計処理の見直しが中心とのこと。

税制改正の動向と同時に、会計基準の動きもフォローして行かなくてはならないので、なかなか大変です。特に会計ビッグバン以前に財務諸表論の勉強をしたままの人は、頭を切り替える必要があります。会計に関しては、昔とった杵柄は通用しない、といえましょう。

会計周りの知識を体系的に整理しておこうと、昨年は、青山学院大学大学院の会計プロフェッション研究科が税理士向けに開設した講座に一年間通いましたが、財務会計のみならず、会社法から監査、内部統制、管理会計まで、とてもいい知識のブラッシュアップになりました。

| | TrackBack (0)

2008.01.20

吉川英治の「三国志」

吉川英治の「三国志」といえば、日本における三国志のスタンダードとして有名です。私も学生の頃に熱中して読んだ記憶があります。

これはかなり以前の話なのですが、あるとき書店の文庫コーナーの吉川英治文庫の前で、大学生とおぼしきカップルが、三国志を手にとって話している会話が聞こえてきました。彼氏の方がしきりに三国志を彼女に勧めているようで、「とにかく面白いんだから・・・ほら、このカバーの裏のあらすじを読んでみてよ。これがまたイイんだよね。『曹操が起つ、袁紹が起つ、天下騒然』てね。」

確かに講談社から文庫で出ている「三国志」の裏表紙の内容紹介は、文体が名調子で惹かれるものがありましたので、その若者が熱く語る気持ちは理解できました。

そんな昔のことをふと思い出して、ある時書店で文庫の「三国志」を手にとって裏を見ると、何となくフレーズに違和感が・・・

気になったので、家に帰って自分の持っている文庫を見返すと、確かに文章が微妙に異なっています。例えば、先の若者が彼女に語っていた「曹操が起つ、袁紹が起つ」というフレーズがある第二巻は、次のとおり。

(旧版)
黄巾賊の乱はほどなく鎮圧されても、腐敗の土壌にはあだ花しか咲かない。
霊帝の没後、西涼の惑星董卓は、十常侍に代って権力の中枢に就いた。しかし、一旦ゆるんだ地盤は、政権の壟断をゆるさない。
曹操が起つ、袁紹が起つ。天下騒然。
董卓の身辺には、呂布という天下無双の豪傑が警固し、刺客さえ容易に近づく隙をあたえぬ。その呂布が恋をした貂蝉という佳人--董卓の寵姫である。
傾国という言葉は『三国志』にこそふさわしい。

(現行版)
黄巾賊の乱は程なく鎮圧されたが、腐敗の土壌にはあだ花しか咲かない。
霊帝の没後、十常侍に代って、董卓が権力の中枢に就いた。しかし、群雄こぞっての猛反撃に、天下は騒然。曹操が起ち袁紹が起つ。
董卓の身辺には、古今無双の豪傑呂布が常に在り、刺客さえ容易に近づけない。その呂布が恋したのが、董卓の寵姫貂蝉。
傾国という言葉は『三国志』にこそふさわしい。


他のすべての巻も、微妙に細部が変わっています。出版社内でどのような経緯があったのかは不明ですが、面白い発見でした。(ちなみに私は格調を感じる旧版の文章の方が好きです)

080120

| | TrackBack (0)

2008.01.14

夏の椿

正月休みのように纏まった時間が取れるときこそ、積ん読状態だった本をまとめ読みする貴重な機会です。今回も何冊か読むことが出来たのですが、その中で、これは良かったという作品がありましたので、ご紹介。

080114
「夏の椿」北重人 文藝春秋

時代小説の秀作です。

以前どこかの書評で薦められていたのを見て、これは読もう、という直感が働きすぐ買ったものの、ずっと手つかずになっていたのですが、正月はやはり時代小説でしょう、ということで布団に潜って読み始めたのでした。

江戸時代は天明のころ、元鳥越の彦十店という長屋に住む立原周乃介という侍を主人公とする、巻き込まれ型私立探偵系人情派ハードボイルド時代ミステリとでもいうのでしょうか。とにかく、読み終わって、「ああ、いい小説を読んだなあ」という充実感が湧き上がる秀作です。主人公が殺された甥の死の謎を追うストーリーも良くできていて、つい頁をめくる指も早くなりがちですが、そこをぐっと押さえて、じっくりと叙情に満ちた小説世界を味わうという読み方がオススメです。こういう小説が読めるところが、日本人で良かったなあと実感する瞬間ですね。

| | TrackBack (0)

2008.01.12

奥湯河原・山翠楼

たまの休暇には温泉でゆっくりしたい、ということで、今回向かったのは奥湯河原の「京ゆば懐石 山翠楼」。湯河原の町から山深く入った静かな谷あいに位置する宿で、料理も美味。何もせずゆっくり過ごすのには最適です。4、5回目の利用になりますが、今回は屋上に露天風呂が設けられ、また違った趣きが楽しめました。(部屋のテレビが薄型液晶だったら、もっとよかったかも)

なおこの宿のすぐ奥には、同系列の「海石榴(つばき) 」という宿があり、こちらは部屋も料理もさらにハイグレード。十年近く前に一度訪れただけですが、とにかく料理が絶品でした。機会があればぜひ再訪したい宿の一つです。

| | TrackBack (0)

2008.01.01

2008年!

穏やかな好天の下、2008年がスタートしました。

元日の風物詩は年賀状の配達風景ですが、この年末は公私ともにバタバタしたため、実はまだ年賀状を一枚も書いていないのです。たくさんの方から新年の挨拶の言葉をいただいているというのに、こちらは発売直後に買ったまま真っ新な年賀ハガキの束を前に、ため息をつくばかり。

ということで、賀状いただいた皆様には、とりあえずこの場を借りて、「本年もよろしくお願いいたします!」

明日からは近場の温泉に静養に行く予定ですので、戻った後で、ゆっくりと返事を出すことにいたします。

| | TrackBack (0)

« December 2007 | Main | February 2008 »