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2007.07.18

住民税未納疑惑

参議院選候補の元テレ朝丸川アナが、期日前投票をしようと新宿区役所を訪れたところ、選挙人名簿に名前がなく投票できなかったうえ、住民税の未納疑惑まで取り沙汰されてしまったという報道がありました。

「丸川氏は平成15年6月、住民票の転出届を出しテレビ朝日のNY支局に赴任。16年6月に帰国したが、今年4月20日前後になって転入届を出したという。陣営は『公示日前日から3カ月前の4月11日までに転入届を出していないと投票できない。29日も投票は厳しい。こんなことになるとは』とガックリ。一昨年の衆院選や4月の統一地方選も投票していないことまで発覚。気になるのは約3年間の住民税だが、陣営は『テレ朝からもらっていた給与明細を本人が確認したら住民税を納めていた。どこの自治体かは、テレ朝に聞かないと分からない』と話した。(サンスポ)」

個人の住民税は1月1日の住所地に納税することになるので、未納疑惑が指摘されるのはわからなくもありませんが、テレ朝の事務担当部門が無能だとは考えにくいですし、住登外課税という例外もあるわけですから、その間投票に行っていなかったことは別問題として、もし未納疑惑を批判したいのならば、まず事実関係を確認のうえで行わなければなりませんね。

さて事実はと言うと、
「住民票の移し忘れから今回の参院選の投票権を失い、住民税未納疑惑が浮上していた自民党の東京選挙区候補で元テレ朝日アナ丸川氏が17日、都内で納税通知書のコピーを報道陣に公開した。少し疲れた表情の丸川氏は、都民税、住民税の納税通知書のコピーを差し出すと『住民税はちゃんと払っておりました』。コピーは平成16年度から18年度の3年分で、納付先は新宿区。18年度は約76万円を納めた。(サンスポ)」
ということで、地方税法294条3項により、実際のお住まいできちんと納税(というより会社側がきちんと特別徴収)していたようです。憶測だけで「未納か?」などと報道されてしまった丸川氏にはちょっと気の毒な出来事でした。

この顛末でわかったのは、
・住民登録というのは、行わなくても意外と生活できるものなんだなということ。
・政党側も、候補者選定に当たって、きっちりとしたリサーチをしていないんだなということ。
ですが、自民党がそんなに脇が甘いとは思えないので、(意図はわかりませんが)これも想定内の出来事なのかもしれません。

<参考> 住民登録外課税(住登外課税)

地方税法第294条(市町村民税の納税義務者等)

市町村民税は、第一号の者に対しては均等割額及び所得割額の合算額によつて、第三号の者に対しては均等割額及び法人税割額の合算額によつて、第二号及び第四号の者に対しては均等割額によつて課する。
一  市町村内に住所を有する個人
(二号以下略)

2  前項第一号の市町村内に住所を有する個人とは、住民基本台帳法 の適用を受ける者については、当該市町村の住民基本台帳に記録されている者をいう。

3  市町村は、当該市町村の住民基本台帳に記録されていない個人が当該市町村内に住所を有する者である場合には、その者を当該住民基本台帳に記録されている者とみなして、その者に市町村民税を課することができる。この場合において、市町村長は、その者が他の市町村の住民基本台帳に記録されていることを知つたときは、その旨を当該他の市町村の長に通知しなければならない。

4  前項の規定により市町村民税を課された者に対しては、その者が記録されている住民基本台帳に係る市町村は、第二項の規定にかかわらず、市町村民税を課することができない。

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