« August 2006 | Main | October 2006 »

2006.09.28

食事中の喫煙

ちょっと前の話ですが、六本木の某イタリアン店でのこと。交差点からそう遠くない立地のそのお店は、ビルの奥にあるせいか静かで落ち着いた雰囲気。

ワインと食事をおいしくいただいていたのですが、後からすぐ隣の席に着いた常連っぽいお客さんのテーブルから流れてくるタバコの煙にもろに直撃されてしまいました。

いくらテーブルに灰皿があるからといって、リストランテを名乗りそこそこの値段をとる店で、コース料理の最中にワイングラスとフォークとタバコを忙しく持ち替えながら喫煙しなくてもいいだろうに、と思いましたが、この店に禁煙席はありませんし、喫煙はある意味本人の自由です。

しかし高いお金を払って(しかも10%のサービス料まで払って)嫌な思いを我慢することもないので、お店のスタッフにそっと声をかけ、こちらが席を移動することにしました。(他に喫煙している客は見あたりませんでした)

ちなみに私はと言うと、高校時代の体育の教師から「タバコは身体能力が低下するから絶対に吸ってはいかん。そのかわり酒はどんどん飲みなさい」と指導され、以来それを忠実に実行しているのですが、自分のオフィスは喫煙OKですし、タバコを吸う友人も多くいます。別にタバコを毛嫌いしているわけではありません。

しかし、居酒屋ならともかく、リストランテで食事中の喫煙はいかがなものでしょう。結局、私も同伴者も、店のサービスが悪かったわけではないが非常識な喫煙者と隣り合わせになる可能性を排除できない以上、料理が美味しかっただけに残念ではあるがもうこの店には来ることはないだろう、ということで意見の一致を見ました。

Continue reading "食事中の喫煙"

| | TrackBack (1)

2006.09.22

浜崎橋はなぜ

ジャンルは違いますが、「なぜ・・・なのか?」系のタイトルからして、ひょっとしたらこれも、売れ筋あやかり本の一つ?

060922
「浜崎橋はなぜ渋滞するのか?」

しかし「4ドアベンツの本」と違って、内容は実用的。首都高浜崎橋ジャンクションの図解を元に渋滞の理由もきちんと解説してくれています。書籍としての情報量は少ないですが、600円ですから許容範囲でしょう。

p.s.
建設中の中央環状新宿線について、
構造上の理由から板橋-熊野町間は
「確実に渋滞する予定」
だそうです。
「1兆円の巨費を投じて建設される中央環状新宿線ですが、残念です。」
同感。

| | TrackBack (0)

2006.09.16

ベンツは4ドアでなければ神話

居酒屋で焼魚定食を食べながら置いてあった日経MJを読んでいたら、ベストセラー本として「なぜ、社長のベンツは4ドアなのか?」が取り上げられていました。相当売れているようです。

タイトルからして、ベストセラー「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」のあやかり本に違いないと思いつつ、実は私もそのタイトルに釣られて出版直後の6月に読んでいましたので、ちょっと感想を。

Amazonの評価をみても賛否両論あるようですが、ひと言で言って、極めて読みにくい本です。取り上げているネタはそれなりに面白いのですが、まとめれば20~30ページに収まるであろう内容を、冗長な口語体で200ページ近くに水増しし、結果として言いたいことが伝わりにくくなっています。

かんじんの「なぜ社長のベンツは4ドアなのか」という問いにも明確な回答を出していません。膝を打つような意外な真実でも提示されるのかと期待して読み進んだのですが、完全な肩すかし。これほどタイトルと内容とが乖離している本もめずらしいのではないでしょうか。

たぶん、2ドアやRVはレジャー要素が強く税務署に目をつけられやすいからお仕事用として経費にしたければ4ドアセダンにしなさい、と言いたいのだと思いますが、それはあくまでも「お話」の世界。現実にはドアの枚数だけで判断されるわけではないのは実務に携わっている方ならご存じの通りです。「ベンツは4ドアでなければ神話」が広まることについて、税務署の調査官などは「これで調査がやりやすくなる、2ドアの社用車を否認しやすくなるぞ」と歓迎しているかもしれませんね。

<参考:「どんなに高額な輸入車でも100%業務に必要で100%業務使用なら経費になる。反対にボロボロの中古車でも利用実態が社長の私用のみならダメ」という趣旨の国税局の見解が某専門紙に載っていました>

なお、サブタイルに裏会計学とありますが、内容は会計学とはほとんど関係ありません。節税とか資金繰りの中小企業向けtipsをわかりにくく口述しただけです。(このサブタイトルもベストセラー「裏帳簿のススメ」のもじりか?) 内容的には、比べたら失礼なほど、本家である「さおだけ屋~」の方が圧倒的に質が高い。真面目に会計の勉強をしようとしている人は、帯のコピーに釣られないように。読むべき本は他にいっぱいあるはず。

結論。
二匹目のドジョウとしては大成功。やはりタイトルが秀逸。しかしこの内容、読みにくさは編集者・出版社側にも責任があるのでは? そもそもビジネス書の棚に並ぶのは間違い。エッセイとかノンフィクションの棚に置くべきでしょう。書店で買うなら「さおだけ屋~」。「4ドアベンツ」はブックオフに大量に並ぶはずなので、どうしても読みたいのなら立ち読みあるいは読み終わった人から借りて、もしくはブックオフで半額にて。(注:「4ドアベンツ」初版本には減価償却の月割計算について誤った記述があるので読むなら二刷以降です)

060916a060916b

| | TrackBack (0)

2006.09.01

ダ・ヴィンチ・コードもいいが

暑かった8月もやっと終わりました。暑い夏は涼しい部屋でゆっくりと読書でも、と思っていたのですが、とてもそんな余裕はなく、電車の中などで雑多な本を読み飛ばしただけの夏でした。

ところで小説の類で近ごろ読んだのは、話題のベストセラー「ダ・ヴィンチ・コード」のみ。映画化されたのでそっちも観ようと思ってたのですが、いつの間にか上映も終わってしまいましたね。

この「ダ・ヴィンチ・コード」(小説の方です)、書店ではまだ売れ続けているようですが、評判に煽られて読んでみた感想はというと・・・
一度読み出したらノンストップで読み切らせる出来のいいサスペンススリラーであることは確かですが、それ以上でもそれ以下でもなし。

タイトルにあるようなダ・ヴィンチの暗号を解き明かすわけでもなく、作中人物が作った暗号を作中人物が解くだけで、ミステリノベルとしての謎も、西洋史における謎も、読者をうならせるにはいま一歩と感じました。期待が大きかっただけに、ちょっと残念。(とはいえ面白いことに間違いないので、暇がある人はぜひ)

キリスト教という大きな歴史上のテーマを扱っているのですから、「石の血脈」「産霊山秘録」の半村良のようなテイストで書かれたら、もっと壮大なスケールの傑作が生まれたような気がします。

ということで、残暑の夜には下記二作品をオススメ。
(しかし、小松左京と同じく、半村良の作品群も、角川文庫のシリーズで一時期はどこの書店でも簡単に手に入ったものですが、いつの間にか姿を消してしまいましたねえ)

060901a060901b

| | TrackBack (0)

« August 2006 | Main | October 2006 »