食品は工業製品?
食品会社の元セールスマンが明かす食品製造の舞台裏です。「製造」というだけあって、食品というのは「工業製品」なのですね。
化学調味料など食品添加物の実態について、単に危険を煽るだけではなく、業界にいた人間の目で冷静に描かれています。実は消費者こそが食品添加物を支持しているのではないか、という指摘には、考えさせられてしまいます。
この本を読んでから、カップ麺やレトルト食品は一切食べる気はしなくなりましたが、かといって家の外で仕事をしている以上、現実としてスーパーやコンビニの食品の世話にならないわけにはいかず、悩ましいところです。
実はこの本、半年ほど前にある雑誌の書評で読んで気になっていた本でありまして、すぐに探し回ったのですがどこの書店にもなく、やっとある大型店の「保健・衛生」コーナーにひっそりと1冊だけ置かれていたのを見つけたのは今年の初めのことでした。
先日、日経ビジネスの最新号をパラパラ眺めていたら、丸善丸の内本店のベストセラーリストの第1位に、この本が入っていました。だぶん口コミなどの評判でジワジワと売れてきたのではないかと想像しますが、やはり大勢の方が、食品について不安や疑問を抱いているのではないかと思われます。
とにかくこの本、今夜もコンビニ弁当だったあなたにオススメします。
・・・先日の秋田の小1殺人事件。犯人とされる女性は自分の子供にカップ麺とコンビニ弁当しか与えていなかったのではないか、という報道がありました。はたして事実かどうかはわかりませんが、この本を読みながらその子の食生活を想像すると、不憫でやりきれない思いがします。