ロウアーミドルの衝撃
所得税の「青色事業専従者給与に関する届出書」を書いていて、「昇給の基準」という欄で、うーんと考え込んでしまいました。
ちょうど大前研一氏の新刊政策本「ロウアーミドルの衝撃」を読んでいて、1997年をピークに平均労働賃金が減少に転じはじめたグラフを見ていたところだったのです。
国税庁の提供する記載例には、昇給の基準について
「毎年おおむね○%(又は××円)などと書いてください」
とありますが、これは毎年必ず一定の基準で昇給がある右肩上がり経済を前提にしているわけですね。
大企業では、定期昇給を廃止する例も出てきているようです。「青色事業専従者給与に関する届出書」は個人事業者が使うものですから、一般的には、中小企業よりもさらに零細な事業者が対象になります。(もちろん医師や弁護士、不動産貸付業の方々が利用する事例もあるでしょうが) 支給する対象は家族従業員ではありますが、「昇給」の欄で頭を悩ませてしまう個人事業主の方もいることでしょう。
この届出書から「昇給の基準」欄が無くなるような時代が来てしまうのでしょうか。