Macintoshの思い出
税理士になったばかりの、ちょうど15年前の確定申告の時期のこと。アップルという会社のマックというパソコンが凄いらしいという話を聞き、お客様である開業医のドクターの診療室でデスクの上に乗っていた「Macintoshプラス」を見せてもらいました。
当時は仕事でIBMのPC上で「マルチプラン」をバシバシ使っていたので(ちょうどロータス1-2-3の登場前後だったかもしれません)、マルチプランの進化型である「エクセル」という表計算ソフト(しかもこれはMacでしか動かないという!)の使い勝手を尋ね、ひとしきり話を聞いた後、そのドクターが「いらない書類はこうやって・・・」とデモ用のデータを画面隅のゴミ箱にドラッグすると、そのゴミ箱がプクッと膨らむではありませんか。
それを見た瞬間、「これは買うしかない!」と電撃のようなものが走り、それから間もなく、定期預金を解約し100万円もって秋葉原へ向かったのでした。
当時の自分の確定申告書を見ると、そうやって「MacintoshⅡSi」を手に入れたのが91年4月、値段は92万円! 同時にエクセルよりも高機能そうだった表計算ソフト「WINGZ」とワープロソフト「EG Word」を買っています。(「WINGZ」で作った数多くのシートはエクセルで読み込めたので、その一部は今もWindows上で現役で稼動しています)
ちなみに、記録を見たら同じ時期にPC98シリーズのEX2を34万円で購入。フロッピーディスクドライブを2つ搭載した当時のベストセラーシリーズですが、こちらは会計ソフトを使うためでした。
3年後の94年2月には「ⅡSi」を秋葉原で7万円で売却し(もの凄い下落率ですが、簿価との差額マイナス38万円は総合譲渡所得の譲渡損として損益通算)、最新型の「Quadra」を28万円で購入、直後にPowerPCが採用され、無償でCPUのアップグレードを行なったりしました。
しかし、Windows95が安定し業務用ソフトが充実してくると、会計事務所業務におけるMacの非力さを感じるようになり、98年には「Quadra」もお役ご免、会計専用機のPCへの置き換えとともに、業務用マシンはWindowsに完全移行したのでした。