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2006.04.04

モバイルSuicaの弱点(後編)

前々回、モバイルSuicaが快適だという話を書きましたが、そのつづきを。

このサービスの弱点は、ケータイのバッテリー残量ではないでしょうか。もちろん、本人名義のビューカードを持っていないとサービスを利用できないというのも、(弱点ではなく)大きな欠点でしょうが、使い勝手の面でいいますと、私のようにすぐにバッテリー切れをおこしちゃう人は要注意です。

おおむね快適に利用できているのですが、入場できないトラブルが2つありました。

一つは、バッテリー残量が充電が必要なレベルまで落ちているときに、自動改札を通過できませんでした。モバイルSuicaはバッテリーが減ってても大丈夫という話をどこかで読んだので、おかしいなと思いつつ改札機を変えて3ヶ所で試したのですが、いずれも「係員のいる窓口へ」という表示が改札機に出て扉が閉まってしまいます。しつこく試すのも他の乗降客の迷惑になるので、仕方なく中年の駅員に事情を話すと、モバイルSuicaのことはよくわからない様子でめんどくさそうな対応。あきらめて従来のSuicaカードをかざして入場しました。

もう一つは、改札機の表示に「出場記録無し」と出て扉が閉まってしまうというもの(フル充電時)。仕方なく駅員に事情を話すと、まだ若いその彼は、「前回降りた時にバッテリーが無かったんでしょう、出場時の改札機でうまく認識されなかったようです」 そういって前回乗車時の未精算分をケータイから引出処理してくれました。
「でもその時、扉は閉まらず、ちゃんと通過できたけど?」
「ああ、そういうことはよくあるんですよ」(それって欠陥では?)
「もしも、改札入るときにバッテリーがちゃんとあって、駅構内で通話したり乗車中にメールしたりして、降りるときにバッテリーが無くなっちゃってたら、どうなるの?」
「その場合はモバイルSuicaは使えません、別途現金で料金を払っていただきます」
「改札に充電器は備えてないの? ケータイが起動しさえすれば、今みたいに有人改札で精算処理できるでしょ?」
「そういうサービスはしていません。構内のコンビニで充電器を買っていただくしかないですね。くれぐれもバッテリーの管理は(声を強めて)『自己責任で』お願いします!」

別の日、たまたま某駅の構内にドコモの「モバイルSuicaサービスのご案内」ブースがあったので、ちょっと寄って尋ねてみると、対応したドコモのスタッフらしき若者は「その通り、バッテリーが充分ないとモバイルSuicaは使えないのです」
すると隣にいた別のスタッフが「いや、バッテリーが切れていても予備電力で動作するようになっているから大丈夫です。ちゃんと改札を通過できます」

結局案内ブースの彼らにも、バッテリーとの関係はよくわからない模様。後でJR東日本のサイトで確認すると、「ご利用に際してのご注意」というところに、次のような記載がありました。

「携帯電話機の電池残量には十分にご注意ください。万一、改札口を入場後、携帯電話機の電池が切れ、改札機等での読み取りが困難な状態となった場合、ご利用になった区間の運賃(必要により料金)の全額を現金でお支払いいただくことになります。」

結論。モバイルSuicaの便利さは享受させてもらっていますが、駅構内では通話は控えるなど、バッテリー残量に神経を使うのが難。盛んにPRしている割に、わざわざ敷居を高くしている(ビューカードに加入しないと使えない)のはマイナスポイントですし、情報が末端に行き渡っていない(JRの駅員もドコモのスタッフも知識に差があり)ということもわかりました。

<参考> 「よくあるご質問」(JR東日本)より

>Q:携帯電話の電源は常に入れて(ONにして)いなければなりませんか?
>A:自動改札機の通過など、画面や通信機能を特に使用しない場合は、携帯電話機の電源は切った状態(OFF)でもご利用いただけます。

>Q:携帯電話が電池切れとなっても使えますか?
>A:通話や画面表示ができなくなってしばらくの間(電池の劣化度合いや使用環境などで異なります)は、微かな電池残量により自動改札機の通過は可能です。しかしその後電池の残量が完全になくなると全てのサービスがご利用いただけなくなります。なお、改札から入場後にこのような状態になった場合は、SF(電子マネー)、定期券いずれのご利用であっても、ご利用区間の運賃(必要により料金)を全額現金でお支払いいただきます。電池の残量には十分ご注意いただき、きちんと充電された状態でのご利用を御願いします。

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