電子申告の弱点(後編)
前回のつづきです。
3月下旬のある日、個人事業者として消費税の納税をしようと納付書を取り出しました。消費税申告書の方は、3月15日までに所得税の確定申告書と一緒に提出済みでしたので、あとは納税手続きのみです。(個人の消費税の申告と納税の期限は3月31日)
そこでふと思い出したのが、電子申告・納税システム「e-TAX」のことです。電子証明書は持っているし届出も出してあるし、何よりも電子納税は以前に実際に行ったことがあるので、久々に試してみようと思いました。
まずPCにインストールしてある「e-TAX」ソフトをオンラインでバージョンアップ。ちょっと垢抜けないデザインのソフトを立ちあげ、基本的な流れを再確認(ここで時間がとられる)します。次いで、以前利用したときにメモした手順書を探し出して、暗証番号と納税用確認番号を確認。
あとは、電子証明書とICカードリーダライタをセットし、という段になり、肝心のそれらが見あたりません。証明書は重要なものなのでどこかに仕舞い込んであるはず。リーダライタは、パソコン周辺機器を入れたいくつかある段ボール箱のどこかに入っているはず。どちらも時間をかければ見つかることはわかっているのですが、いったいどこに・・・そんなことをしているうちに三十分以上経過。電話がかかかってきたり来客があったりで、そのうち探すのが面倒になってしまいました。
結局次の日、外出するついでに銀行の窓口で納付することに方針を変更しました。合併で長ったらしい名前になった某都銀は、月末近くにもかかわらず幸い空いていて、あっという間に納付完了。支店のドアを入ってから出るまで、時間にして4分ほど。電車1本遅らせるだけの手間で納税手続き完了です。
結局「e-TAX」は、便利なのは確かで今後普及していくことは間違いないでしょうが、手順が面倒なので、頻繁に利用して手順を飲み込んでいる人以外は、かえって時間をとられてしまうような気がします。ここはやはり、電子申告利用者税額控除といった金銭的インセンティブを設けて欲しいところですね。