起業/資本金はいくら必要? 2
これは聞いた話ですが・・・
1円起業制度ができたとき、制度を考えた担当者の間でこういう話があったそうです。
「そんなミジンコみたいな会社をいっぱい作らせて、どうするの?」
「たとえほとんどが死んでしまっても、ほんの数匹でも大きくなってくれれば、それでいいのでは」
ということで、1円会社のことを一部ではミジンコ会社と呼ぶそうです。
さて本題。
資本金はいくら必要かという話に入りましょう。
「家業」を単に会社組織にするだけなら別ですが、「事業」のスタートであるならば、常識的に考えれば、やはり運転資金として最低でも100万円前後のキャッシュを用意しなくては、会社を稼動させることは現実問題として難しいのではないのでしょうか。現行制度での有限会社の最低300万円というラインは妥当な感じがします。1円起業の設立を数多く手がけている知り合いの行政書士さんも、「アイデアや情報を売るビジネスなら1円起業も不可能ではないけれど、物販などの場合は、やはり元手としてある程度のキャッシュが必要なので、1円起業はやめるようにアドバイスしている」とのことです。
ここでちょっと、起業の際の資本金についての見解を、手許にあった本からいくつかご紹介しましょう。
「1円起業制度はベンチャーの育成にとっておそらく何の意味も持たない。資本金を1円しか集められないようなやつは、会社を作っても絶対成功しないと僕は思う。(ライブドアの前身である有限会社オン・ザ・エッヂは資本金600万円でスタート)」(堀江貴文 稼ぐが勝ち ゼロから100億、ボクのやり方)
「若者が起業するのに必要な金はせいぜい3000万円である。これは年間800以上の事業計画を見てきた私の経験則みたいなものだ。」(大前研一 ニュービジネス活眼塾 )
「会社の本質を考えた場合、発起人が会社の目的、資本金の額等を定款に定め会社を興すわけだから、創業資金をふまえた資本金があるはず。最初から元手の設定を誤っている会社に銀行が金を貸すはずがない」(自分(うち)の会社の強化マニュアル 資金調達)
「せいぜい3000万円」と言い放つ大前さんと、「最初はミジンコでもいいから」と起業を奨励する政府とでは、想定している事業のイメージがだいぶ違うようです。